2009年12月01日

刑事コロンボ 25話「権力の墓穴」

刑事コロンボ「権力の墓穴」
A Friend in Deed / 1973[第3シーズン 25話]

ギャンブル好きが命取り…ロス警察ハルプリン次長


財産目当てに妻を殺害するロス警察の上司マーク・ハルプリン次長。キャラクターは素晴らしいけど、殺人動機が弱い。隣の2軒で連続殺人が起きれば、相当厳しく捜査されるのが予想される中で、よく犯行に及んだと感心します。しかも、自分の現在の地位・名誉を全て失うだけの価値がある殺人なのか?は、大疑問。(正確にはギャンブルに溺れること自体が疑問)

本物のワルの匂いが…


隣人のコールドウェルが奥さんを死なせてしまったことが、事の発端になりますが、それを知った直後に、自分の妻もついでに殺して、二人の共犯で罪を闇に葬る計画をした…というのがね〜あくどいです。

見どころが満載の作品


捜査の過程で、自分に都合の良いようにコロンボに指示を出すハルプリン次長の傲慢さに、いかにも官僚的な体質が見えます。また、巧みとは言い難いですが「妻が犯人を見てしまったかもしれない」ように仕立てるのもポイント。

邦題は「けんりょくのぼけつ」?


読みの問題。「はかあな」ではなく「ぼけつ」が正解だと思われます。NHKのアナウンサーが番組紹介でそのように読んでいました。

シロとクロを嗅ぎ分ける嗅覚


他の作品でも感じますが、コロンボ警部の嗅覚は凄いです。このお話の場合、まず疑うべきは夫のコールドウェル。次に連続窃盗犯も有力に思えます。しかし、コールドウェルは証言の些細な部分からシロと判定。連続窃盗犯も「窃盗」の容疑者を狭めつつ、殺人ではシロと判定し、本題の事件解決の協力者へと導きます。このような鋭い嗅覚が身に付けば、我々の仕事にも役立つと思うのですが…。

「チャンスを得た」は、大きな勘違い


ハルプリン次長が署内でコロンボから前科者のリストを見せてもらうシーン。思いがけず決定的に有利な情報を得て、濡れ衣工作を思いつくのですが、それもコロンボ警部の仕組んだ罠だという展開は素晴らしいですね。あくまでも次長の命令に従っているだけの行動に見せています。まかれた餌にまんまと食いつかせたわけです。

シリーズ中、最も爽快なラストシーンの一つ


前科者アーティに殺人の罪をなすりつけ、その仕上げ工作の最中に自分が真犯人だということを「自らの行動で証明」してしまう場面。罪を被せられそうになるアーティの自宅(実はコロンボの部屋)で、「あなたが奥さんを殺したんです」とコロンボ警部に告げられるまで、一所懸命に証拠品を探しているハルプリン次長の必死の形相は傑作です。警察権力に対して、一石を投じたと言わんばかりの爽快なラストシーンでした。

リチャード・カイリーのハルプリン次長


リチャード・カイリー(リチャード・キーリー)はハルプリン次長役を名演したと思います。コロンボの「突っ込み」に、たじたじの様子が可愛く描かれています。

おそらくキャリア・エリートの設定で、現場バリバリのコロンボ警部の評判を良く知らなかったのでしょう。経験不足から、指紋の指摘に始まる失言を連発し、墓穴を掘ってしまいます。報告書を提出しろ!と、何度も催促するのも役人根性の表れで、笑えました。

日本語版は北村和夫さん


北村さんは俳優としてのお仕事がメインで、吹き替えは多くないようです。その中でも刑事コロンボではこの「権力の墓穴:リチャード・カイリー:ハルプリン次長」と「迷子の兵隊:ステファン・エリオット:パジェット将軍」を担当されました。

ヴァル・アヴェリー


前科者アーティ・ジェサップ(アーチー)役の俳優「ヴァル・アヴェリー」は12話「アリバイのダイヤル」で盗聴器をしかけた探偵:ダブス役として出演しています。目立たない役では5話「ホリスター将軍のコレクション」の貸しヨット屋でも出演。


高級住宅地「ベル・エア」地区


ハルプリン次長と友人ヒュー・コールドウェルらの家がある地区。「二枚のドガの絵」デイル・キングストンもご近所さんではないかと思われます(笑)
→刑事コロンボマップ:ベル・エア地区

監督:ベン・ギャザラ
脚本:ピーター・S・フィッシャー

マーク・ハルプリン:リチャード・カイリー
アーティ・ジェサップ:ヴァル・アヴェリー
コードウェル:マイケル・マクガイア
ハルプリン夫人:ローズマリー・マーフィー
ダフィ警部ジョン・フィネガン

加筆:2015年3月7日
 
posted by ぼろんこ at 22:48 | Comment(29) | 中期作品(10話〜31話)
この記事へのコメント
「刑事コロンボ」への愛情に脱帽です。

次長の友人、コールドウェルの職業を教えていただけますか。(インテリアがすばらしい。)

次長の家はスペイン風でしたが、リチャード・カイリーの代表作「ラマンチャの男」と関係あるのでしょうか。

子供の頃にはわからなかった本物のアンティークが使われていて、興味深いです。
Posted by 海松 at 2013年02月16日 18:24
海松さま、コメントありがとうございます。コールドウェルは「コードウェル」と表記されているケースも多いようです。ヒュー・コードウェル「Hugh Caldwell」ですね。職業は、現在捜査中です。
Posted by ぼろんこ at 2013年02月20日 17:49
こんにちは。

アーティのいる、薄暗いバーでの描写が素晴らしいです。

カウンター前に座るのは、まるで死を待つだけのような「土くれ」の男たち。一様におし黙って物憂げにグラスの液体を流し込んでいる。しかもグラスを置くとき音がほとんどしない。
ビリヤードのかわいた玉音が時おりひびき、換気扇が外からの光をゆっくりとかき回す。

そんな墓場のようなバーに、サングラスに高級スーツを身に着け、女房殺しという活力あふれる?殺人犯が店内に入って来る。バーに溶け込んでいるような老人たちとの対比で、まるで場違いのコールドウェルという人物像が見事に浮き出ている。私の好きなシーンです。
Posted by marr at 2013年10月24日 17:00
marrさん、コメントありがとうございます。場面を思い出せるような素晴らしい文章で、感激しています!この頃のコロンボ作品は好きなのが特に多いです。この作品に1票追加しておきます。
Posted by ぼろんこ at 2013年11月06日 12:54
いや〜〜面白かった(笑)


実に爽快なラストシーン!!
相棒の様な現代的ラストでしたが、それをコロンボが演じるのは、昔と今の対比が素晴らしいと感じました♪^^
嗅覚も凄いですよね!!
シロとクロを一発で見分ける・・長年の刑事の勘、もしくは直観みたいなものでしょうか?



コロンボの作品は、決定的な証拠が無く、立件するには一見難しそうに見えるのですが、それが作品を見ていくにつれ、逆に凄いというか・・
状況証拠から、矛盾・おかしな点を見つけ、犯人を巧みに誘導する・・
しかも今回は、ぼろんこさんの言われる通り
刑事の上役である次長の命令を、素直に聞きながらってのがポイントですよね!!
それが、さらに凄さを倍増させている気がします♪♪

しかし、アーティン(笑)
母ちゃんとのやり取りも好きでしたが、面白いキャラで愛着持てますな〜〜(´ー`*)
バーの薄暗い雰囲気も、いかにもアメリカって感じで好きです!

最後に次長が、アーティンの部屋だと思い忍び込み、証拠を隠ぺいさせるシーンですが
確かにあの住所を知っているのは、「コロンボと次長」しかいないですよね(驚)
華麗かつ爽快感溢れるこのシーン、脱帽です!!


あと思ったのは、刑事と黒人さんのやり取り、
黒人さん「証人はいっぱいいるとも!」
警官「そうだとも!」
知っているなら、聞くなよっとツッコミ入れたいですが、そういう意味でもなさそうな(笑)

本訳の英語バージョンもいつか見たいと思いますが、この日本語訳のやり取り・掛け合いは
今の日本には無いので、とても新鮮です(´ー`*)
Posted by とっしーー at 2014年05月14日 14:40

補足


59分のコロンボの次長を犯人だと、決めつけている表情、そしてラストの「これだけです」と言った後のアーティンと仲本工事似の刑事さんの
ニヤリとした表情が、たまらなく好きです(笑)
Posted by とっしーー at 2014年05月14日 14:57
とっしーーさん、面白かったでしょ〜この作品。ラストの「これだけです」は流石ですね!ここが凄いです。

本来は「次長と警部」が仲間なのですが、今回はその腐った権力に「警部と前科者」が協力してやっつけたというのも、面白い着眼点です。
Posted by ぼろんこ at 2014年05月18日 12:34
いや〜、面白かった!でも、冒頭からの件はちょっとマンネリ気味で普通の殺人事件の様にも思えてしまいました。
しかし、ハルプリン次長が自分の奥様を殺害してからは「えっ、次どうするの、どうするの?」とのめり込みました。検視官からの連絡で、浴槽での溺死を確証してからはコロンボのお得意技が冴えてきましたね!犯人と睨んだ次長に直接、犯行を捜査段階で明かして揺さぶりをかけて行く様はやっぱり「次、どうするの、どうするの?」って思っちゃいますよ!
最後に次長が前科者アーティ・ジェサップの自宅だと思って警官数人とコロンボを引き連れて犯人宅へ行く際に「次長、やめたほうが良いですよ!」とコロンボが言う辺りはワクワクしちゃいますね!

余談ですが、次長の奥様が最後の公演に行くはずだった会場関係者が次長宅へ来ましたが、その時の俳優さんはダーティーハリーシリーズの出演回数が多い”アルバート・ポップウェル”ですね!同じ刑事物に出演されている所が中々おつですね!
Posted by ベースのテラちゃん at 2014年06月22日 21:10
こんにちわ。素晴らしいサイトですね。

ミステリーはそれほど見ないのですが、コロンボは大好きです。やはり、インテリアやアンティーク、高級スーツとかに魅力を感じます。
「コナンドイルの事件簿」や「ポワロ」のドラマなんかもお気に入りです。(名前もpoirotポワロをもじったものです)

方向性は違いますが、同じような理由で源氏物語や紅楼夢も好きです。
Posted by poipop at 2015年05月24日 21:59
ベースのテラちゃん>コメントありがとうございます。自分が仕掛けた罠にかっかっている人に向かって、「やめたほうが良いですよ!」ですって、これが面白い。
 
「アルバート・ポップウェル」も、覚えておきます。
Posted by ぼろんこ at 2015年06月13日 18:10
poipopさん>コロンボって、いわゆるミステリーとは違うテイストですものね。私も「ポワロ」は、時々見ておりましたよ。
Posted by ぼろんこ at 2015年06月13日 18:12
直属の上司を犯人にしたことは相当なリスクがありますね。

にも関わらず、上質なシナリオと出演役者の名演がマッチした良作です。

北村和夫さんの吹き替えも好きです。
何というか吹き替え名職人独特の軽妙さがいいですね。

エンディングも秀逸です。
Posted by タップおばさん at 2015年10月03日 22:45
いやはや、スカっとする終わり方だね。
相手を追い込んだ挙句、相手の強みを弱みに変えて、
すっ転ばせるというコロンボ一流の手法だった。
反省のない犯人には同情もないという点から、
刑事コロンボとしては傑作ではない。
Posted by トレモニ at 2015年10月31日 20:09
このサイトを結構前から読ませて頂いているものです。
最近、BSで平日毎日やっているので録画しても見るのが追いつかず。(週一回にしてほしい)
このサイトの評判を読んで、溜まった録画を見るか見ないで消すか判断しようかとしたけど...
コメントを読むとその内容を確認したくなり全て観てしまう。困ったものだ。
最後に「家宅捜査、されないほうが...」とコロンボが言ったとき、なんかスカッとしました。だけどなんでコロンボはあんなこと言ったのだろうか?
どうせあの部屋へ行くのにね。
アーティーには更正して奥さんらしき人とうまくやってほしいですね。
Posted by ヤマンボ at 2015年11月05日 18:31
タップおばさん>お褒めの言葉ありがとうございます(笑)1票追加します!
 
トレモニさん>辛口のトレモニさんにしては…絶賛?でしょうか。1票追加しちゃいます。
 
ヤマンボさん>そうなんです。コロンボってユーモアがたっぷりです。自分が仕掛けた罠にハマる次長に対し「家宅捜査、されないほうが...」とぶつぶつ言いながら着いてゆく姿が可愛いですよね。
 
Posted by ぼろんこ at 2015年11月07日 07:24
いきなり死体で出演というのもかわいそうだね。
せめて殺される演技でもしたかったでしょう。

この回は、分かり易くて好きです。

アーティの巻き舌江戸っ子弁がおもしろいです。
アーティが警察へ届けたとしても、次長の権力で握りつぶせば良さそうなもの。
コールドウェルには表面上完璧なアリバイがあるので、出来るはずです。
そもそも、アーティはコールドウェルが犯人だなんて知っている訳がない。
そんな話に乗るなんて軽率すぎる。
話に乗ることで、アーティの犯行として押し付け一件落着を狙いましたね。
Posted by トレモニ at 2015年11月19日 03:59
交換殺人ならぬ互助殺人というあまり見慣れない複雑な犯罪。その真相に緻密な推理で少しずつ迫るコロンボ警部の捜査が見応え満点な傑作。
クライマックスの逆トリックも爽快です。ただし、ぼくは本作と同じパターンという「殺人講義」のほうを先に観てしまったので驚きは半減でした。それでも「権力の墓穴」のほうが犯人の存在感が強く、それに加え前科者の協力による逮捕というサプライズもあり上手な使い方だと思います。
Posted by すぴっつ at 2015年12月01日 23:38
「野望の果て」と同じで、犯人としては全く追い込まれてもいません。
アーティが犯行3つを警察へ自供することで、なぜコールドウェル犯行を
警察が思うというのか?。世間的に見てもムショ常連のアーティより、
社会的地位のあるコールドウェルの方が信用されます。
それまでにも、コロンボは様々な矛盾点を次長へ説明していた。
またアーティには動かせないアリバイがあったのも、同僚警部から次長へ
報告されていたハズ。それらを度外視して、あまつさえ追加工作でアーティ
へ罪を着せようなどは、無理にもほどがある。
最後の落とし穴の切れ味がおもしろ過ぎて見落としてしまうが、その切れ味
を出すため、そこへ持っていくための途中経過にはかなり無理がある。
Posted by トレモニ at 2015年12月20日 08:34
アーティと奥さんとの関係は、どうなっているのだろう?。
派手な口喧嘩をしているように見えても、心の中は逆かも分からない。
アーティはムショ暮らしが長いし繰り返されるが、その間も奥さんは
別れなかった。
前科は山ほどあるし、付き合っている相手もロクなもんじゃない。
それらを引き算しても余りある魅力があったのだろう。
アーティは泥棒の倫理をわきまえている。その倫理から外れる行為は、
絶対に犯さない。また、頼まれればイヤとは言えない義理がたい男だ。
社会の矛盾が許せないなど、感受性も人一倍強い。
奥さんは、そういうアーティに惹かれたのだろう。
一方アーティから奥さんを見れば、留守の家を守ってくれている。
ムショへの差し入れも小まめだ。そういう献身があるからこそ、
口うるささも許せるし、お互い何でも言い合えるだろう。
ローラーゲームが好きなら、日米対抗ローラーゲームも観たのかな?。
Posted by トレモニ at 2015年12月25日 17:24
コロンボは、どの時点から次長を疑い始めただろうか?。
それは、次長夫人が殺された翌日のコロンボと次長との会話からだろう。
その会話のはじめは、コロンボは部下が上司へ対する報告モードだった。
つまり自分の考えていることを全てさらけ出して、理解を得ようとする。
しかし、理を尽くしても、この次長は全否定したのだ。
そういう空気になった瞬間、コロンボの目が細く斜めになった。
殺人講義においてコロンボは、
 何かをした場合など、黙っている方がよろしい!。
 すーぐ、ベラベラ喋っちまわないで、待つんです。待って展開を見る。
 大事なのは、タイミングです。それからツキ。ツキが必要ですね。
と言っている。
つまり、報告モードから展開待機モードへと切り替わった瞬間だった。
このスイッチが入ってしまうと、もう手がつけられない。
表は気の良さそうな善人に見えて、実は、そんじょそこらにいるような
ものとは数段レベルの違うスーパー詐欺師に変貌してしまう。
Posted by トレモニ at 2015年12月25日 17:58
ちょっと質問なんですが、アーティをバーで逮捕する段取りというのは、他の警察関係者もコロンボから真意を聞いて罠にはめるために演じていたということなんでしょうか?バーでは逮捕されていましたが、ラストシーンではアーティは拘束されずにあーパートに現れましたからね。あと、作品にはないシーンですが、他の警察関係者がコロンボに事前に真犯人を告げられたときには、さぞかしビックリしたのでしょうね(笑)
ひょっとしたら信じてもらえなかったかもしれません。
Posted by マオマオ at 2016年01月05日 10:55
>>マオマオさん

わたしの解釈ですが・・・・、

ロス市警内の人間関係によるのだと思います。
コロンボの息のかかった範囲、次長の息のかかった人間関係や部下などが
想定できますので、コロンボの判断で少なくとも次長の息のかかった関係
には知らせてはいないでしょう。そうしないと、うまくいかないですから。
ただアーティの住所を偽装するために、同僚警部には明かして協力を
取り付けていたことでしょう。

次長は高学歴のキャリア組で現場を知らない。コロンボはたたき上げ刑事で
現場主体です。それにより、次長の判断の甘さが随所に表れています。
次長は、今回とんでもない事をしでかしたワケですが、そういう傾向が
あるのなら、これ以前でも、自分の権力のサジ加減で、損得勘定を元に
便宜などを図っていたかも知れません。いきなり、こういう犯罪を突発で
というのは考えにくいですから。更に、常々官僚的・高圧的であったなら、
現場組からは疎まれていたことでしょう。一方コロンボは、現場組からは
一目も二目も置かれる存在でしょう。そういう勢力範囲を見極めて
コロンボから的確な協力要請があったものと思われます。
Posted by トレモニ at 2016年01月05日 11:41
ヴァル・アヴェリー
誤:歌詞ヨット屋
正:貸しヨット屋
Posted by トレモニ at 2016年01月05日 11:49
ハルプリン夫妻それまでの関係は、どうなっていたのだろう?。
奥さんの立場で想像してみる。
刑事コロンボにおいては、殺人犯と被害者の間には葛藤や相容れない利害関係
があり、その一挙解決のために殺人事件を引き起こす。よって双方の背景は
必ず描かれている。しかしながら、ハルプリン事件の場合は、コールドウェル
事件の玉突き衝突のようなものだ。ハルプリン夫妻の関係が悪化していたワケ
でもないので、ハルプリンの奥さんの周辺事情などは描かれていない。
ハルプリンの奥さんは、とても人格者の風がある。それなのに、夫の浅はかな
エゴで殺された。それ仕舞いでは、とても浮かばれないだろう。

最初マークは、奥さんの寛大さや温かく人を迎え入れる優しさに惹かれた。
マークにも、何らかの魅力があったのだろう。奥さんは、夫の仕事がらや
交友関係の事情もあって、慈善事業に目覚める。子供が出来なかったことも
あって、それは加速した。マークは、奥さんに莫大な財産があり、それを
自分からすれば価値の無いところへつぎ込むことに不満を持っていて、事ある
ごとに嫌味を言うようになる。しかし奥さんの寛大さは、それも受け容れ許す。
マークの不満は、やがて賭けごとへのめり込む要因になった。夫婦の危機は
何度かあった。しかし奥さんとしては、警察幹部の妻という立場が慈善事業
を推し進める上ではかなり有利だった。つまり事業の認定を受けやすい
ことに加えて、補助金や寄付金を得やすいのだ。そのコストだと割り切って、
賭け事で負けた分も負担するようになる。マークも自分の立場を利用して、
慈善事業に便宜を図るべく手を回す。(立場利用はお得意で、それが高じて
今回の失態になるのだが)
マークからすれば、これ以上不満の持って行きどころが無くなり、辛うじて、
夫婦の関係の均衡が取れたかたちだ。その均衡を崩す玉突き衝突だった。
Posted by トレモニ at 2016年01月14日 07:32
2度目のコメント残しです(`_´)ゞ
私の好みは、犯人が悪役の方が好きなのでこの権力の墓穴の次長やハッサンサラーが悪に徹してくれていてラストもスッキリするので好きです。

ただ、上記にもぼろんこさんが書いた通り殺人のリスクが高すぎます。
お金の為とはいえ妻を殺す動機が薄く、夫婦仲がそこまで不仲に見えません。良妻です。
口うるさい逆転の構図の妻タイプなら動機も分かります。(次長が不仲では無いから犯人リストから外されると考えそれを逆手に取っての犯罪かもしれないですが。)

ただ、それを踏まえても警察のキャリアならもう少し手の込んだやり方があったのでは?と思います。

お風呂で殺害→プールに投げ込む→検視で泡成分→殺害場所はお風呂→その時間は、次長家に居る時間だ。
穴だらけで、もったい無いです。






Posted by パンナコタ at 2016年01月23日 02:08
トレモニさん>貸しヨット屋!ありがとうございました。
Posted by ぼろんこ at 2016年01月25日 13:43
当初「次長」と訳されてしまったので、我々はハルプリン氏をNo.2と思い込んでしまいがちですが、ひょっとしたらこの人、ヒラの公安委員だったかも知れませんよ。

例えば香港警察は、トップがCommissionerでその次がDeputy Commissionerさらにその下がSenior Assistant CommissionerとAssistant Commissionerと続きます。でもUSAは大違いで、例えばNY市警はトップがCommissionerその次がFirst Deputy Commissionerさらにその下にDeputy Commissionerが10人以上もいるんだそうな。
LA市警の公式サイトを今見ると、トップはCommissioner Presidentその次がCommissioner Vice Presidentその下がただのCommissionerで、Deputyという職は、少なくとも現在はありません。

香港警察の場合は全員が警視から昇進してきた警察官(だから公式サイトの写真がみんな制服)ですが、ロス警察のコミッショナーたちは全員が市長に政治任用された文民で、サイトの写真は全員私服。おそらくハルプリン氏は、就任して日が浅く、コロンボの実績を全然知らなかったのでしょう。
Posted by ヴォロージャ・ウリヤノフ at 2016年04月13日 19:16
アーチーのキャラがいいですね!
上司が犯人という設定やラストもよかったです!

中期の作品の中では『祝砲の挽歌』に次いで気に入りました。
次長が自分の奥さんを浴槽で殺したときは「なんで!」と思ってしまいましたが、その点を除けば個人的には見やすく楽しめる作品だと思いました。

刑事コロンボはなんと言ってもコロンボのキャラクターが好きですし、作品としても全体的に好きですが、倒叙法や犯人の追いつめ方、ラストのはめ方など全体の流れが基本的に同じなので、順に多くの作品を見ていくとマンネリ化してきて少し物足りなさも感じてしまいます。
なので、『祝砲の挽歌』のように環境が変わっていて生徒がたくさん出てきたり、本作のように犯人が上司でムショ上がりの悪に協力してもらったり…というふうな、「犯人がいろいろな職業の成功者」を超える登場人物のバラエティーによって新鮮さが生まれ、個人的には楽しめるのだと思います。
Posted by もだん at 2016年12月08日 15:21
解釈不足かもしれませんが、私には次長の妻殺しの動機が弱いとは思えませんでした。
次長は常々「妻が死ねばいいのに、いつか殺してやりたい」と考えていたと思います。
妻とのやりとりの中でそれが伺えました。今年の女性に選ばれたことに嫌味を言うとか、莫大な財産を私に贈与した方が・・・とか。
ギャンブル狂いの男にとって、妻の莫大な財産をそっくり自分が相続するなんて夢のような話でしょうし、
それ以前に、妻の莫大な財産が見も知らない前科者や娼婦に施されていること自体、我慢ならなかったと思います。
(「どこの馬の骨かわからない奴にやらずに俺によこせよ」と思ってたでしょう)
ギャンブルに狂っていればお金への執着は尋常じゃないと思います。
次長は、これまでずっと妻への殺意を温めていた(?)ように思えたので、動機が薄いとは思えませんでした。
この話の犯人は「慈善事業に熱心な妻を疎んで妻の財産を狙うギャンブル狂い男」「警察幹部でありながら殺人を泥棒の居直りに偽装し、友人の弱みを握って利用する男」
という、歴代犯人の中でも1・2位を争う悪人に思えます。(あまり上手く説明できないのですが)
Posted by アクア at 2017年01月08日 20:52
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どうぞ悪戯の書き込みはお控えください。
私の大切なものを壊さないでください。あなたにも、私にも大切なものがあるのです。
I ask foreigners.
Please do not write a comment. Please do not break my important thing.
I think that you can understand. I appreciate your self-control.

筆者ぼろんこが1970年代にNHKの総合テレビで刑事コロンボに出会った頃は小学生でした。それから30数年後の2009年にNHK BSで再会した時、その素晴らしさにあらためて感銘し、自分なりの解釈をブログに書きためるようになったのでした。