2009年11月04日

刑事コロンボ 28話「祝砲の挽歌」

刑事コロンボ「祝砲の挽歌」
By Dawn's Early Light / 1974[第4シーズン 28話]

作品の持った雰囲気がとても好きです。絵的な美しさ、兵学校という閉鎖された特殊なシチュエーション。他にも軍隊ものの作品はありますが、この「祝砲の挽歌」には及びません。

パトリック・マッグーハンの存在感


犯人役のパトリック・マッグーハンの存在感は抜群です。ヘインズ陸軍幼年学校の理事長ヘインズを殺害した後も「厳しい校長先生:ラムフォード大佐」が、正義(?)を貫いて生きる様を、美しく演じています。

事件が起こる背景


陸軍幼年学校の劣等生にその罪をきせる行動と相反し擁護するような言葉も…。厳しいが故に学校で孤立してしまう立場も…。生徒たちの「自供」により殺人を暴かれてしまう下りも…。流れるようにつながっています。また、学校の平面図から「陸軍幼年学校」が「男女共学のキャンパス」に改築される計画があったことを見破るあたり、コロンボ警部の着眼は流石です。

冒頭の演出も見事


廊下をこそこそと進んで行くと、砲弾の工作をしている背中が見えてくる。予め準備した材料を丁寧に加工する手元。冷静ながらも…汗がしたたる表情。丁寧に指紋を拭き取る。火薬を流すために蛇口を振り回す。外に出た時、初めてタイトルクレジットの文字が表示され、微かなドラムロールでBGMが始まる。砲台での準備を終え、後に大きな意味を持つ「りんご酒」を見つける。6分30秒を過ぎた頃、軍隊ラッパの音と共に台詞付きのドラマがスタートします。6分30秒以上台詞は一切なし、音楽もごく小さい。冒頭シーンを見ただけでこの作品がどれほど凄いかを直感します。

ラムフォード大佐


ラムフォード大佐は、自分の保身のために殺人を犯したとは思えません。むしろ間違った方向を向き始めたアメリカに対し「NO」と言いたかったのでは?私は戦争擁護の立場ではありません。ただ大佐の気持ちを考えただけです。

スプリンガー候補生


落第生のスプリンガー候補生(マーク・ホイーラー)の反抗的な態度やエピソードも上手く描かれています。彼が「大砲の誤爆は自分の責任であるはずがない」「不可能だもん*」と語る場面も印象的です。
*=実は掃除当番をさぼっている。

シロとクロを見分ける着眼点


コロンボ警部が容疑者を「ラムフォード大佐」に絞る場面は、大佐がボロ布を最初に見た時に言及を避けたのに対し、スプリンガー候補生はためらうこと無く「大砲の清掃用の布」と答えたことにあるでしょうか。ラムフォード大佐は事故の原因をスプリンガーの不始末として片付けることを前提として、この犯行計画を始めたわけであり、自分の計画どおりに進む捜査に対し、すこしだけためらいの感情が出たのでしょうか。

また、ラムフォード大佐は凛とした振る舞いの中でも、沈着冷静に計画を実行しています。被害者ヘインズとの口論の最中に、少しだけドアを開けておき、ヘインズが自ら「式典で祝砲を撃つ役目を引き受けた」成り行きを秘書に聞かせるよう工夫しています。本来なら大佐が爆死していた可能性もあることで、自分が容疑者のラインから外れるという計算です。

とばっちりを食らうルーミス大尉


注目すべき場面は、食堂でふざけている生徒を「突然のように声を荒げて叱る」大佐の態度。スプリンガー候補生についての会話中に、コロンボ警部はスプリンガーを犯人ではないと確信している。むしろ自分が疑われている‥と気付くのです。ご機嫌斜めな大佐の「リンゴ酒密造犯捜査命令」を受けるルーミス大尉のリアクションは、少し不本意そうで興味深いです。

日本語吹き替え:佐野浅夫さん


ラムフォード大佐の吹き替え「佐野浅夫」さんは素敵でしたが、ミラー当番兵(靴が汚れていた生徒)を再度呼び出して説教するシーンからしばらくの間、別の声優になっていました。佐野浅夫さんとは似ていない声で、この部分がとても残念でした。初期放送版ではカットされていたのでしょうね。重要な場面だと思いますが放送時間の関係でしょうね。

祝砲の挽歌


原題は「By Dawn's Early Light」で直訳は「夜明けの明りで」という感じ。「挽歌」とは中国で葬送の時に柩(ひつぎ)をひく者が歌った歌で、エンディングに歌とともに訓練する響きも通じて、納得の邦題です。

クレーマー刑事が登場


後の作品でも活躍する「クレーマー刑事」が初登場。やる気があるんだか…どうだか…わかんない感じがとても良いですね。

モーガン候補生はクレーマー刑事の息子!


ヘインズ陸軍幼年学校のトイレで、高校時代の彼女の思い出話をする相手「モーガン候補生」は「ブルーノ・カービー」で、クレーマー刑事を演じる「ブルース・カービー」の息子。父ブルースは2012年現在存命だが、息子ブルーノは2006年に57歳の若さでこの世を去っています。


ヘインズ陸軍幼年学校


「ヘインズ陸軍幼年学校」はサウスカロライナ州チャールストンがロケ地だということです。ですので海外ロケに匹敵するほどの作品スケールが感じられるわけです。

監督:ハーヴェイ・ハート
脚本:ハワード・バーク

ラムフォード大佐:パトリック・マクグーハン
スプリンガ―候補生:マーク・ホイーラー
クレイマー刑事:ブルース・カービー
ルーミス大尉:バー・デベニング
ウィリアム・ヘインズ:トム・シムコックス
モーガン候補生:ブルーノ・カービー

加筆:2015年11月7日
 
posted by ぼろんこ at 19:59 | Comment(31) | 中期作品(10話〜31話)
この記事へのコメント
本来の意味の確信犯、保身よりも後進の為に殺人を犯す、日本人の感覚で至高の殺人者でした。別れのワインも名作ですが、ワイナリーと学校では、本作に理があります。
自分もCol. Lyle C. Lamfordの歳に近くなるにつれ、後進への思いから益々彼の信念が身に凍みています。
本作は語り尽くされた感もありますが、是非平成世代にも観て感じて頂きたい秀作であると。
混迷を極めた政治情勢では尚更です。

食堂のシークエンスも、古畑でリフレインされた名シーンですね。
Posted by S.H. at 2011年08月06日 22:23
S.H.さま、心に響くコメントを頂き、ありがとうございます。本作はせっせと準備工作をしているシーンから始まります。そして対象者を登場させ、背景を徐々に明らかにし、当日をむかえる。「ズドン」と爆発音、ラムフォード大佐の冷静な表情のアップ、悲鳴…。この流れは、多数のコロンボ作品の中でも特に優れていると思いました。

殺人者を美しく描くことは、倫理上の問題もあるのかも知れませんが、見る側の「心さえしっかりしていれば」意味が正しく伝わるものだと確信いたします。
Posted by ぼろんこ at 2011年08月24日 10:49
窓に吊るされたリンゴ酒が事件解決の決め手になるという意外な展開で幕。軍人が主役を演じる話はほかにもありますが、これもいい作品でしたね。我国にも旧陸軍には幼年学校があり、軍人魂の塊のような校長がいたと思います。今の自衛隊にこういう軍人はいるのかなあ。いやいや、軍人という用語が死語になって久しいから、そういう土壌は育たないのでしょうね。
Posted by ササキ at 2013年12月07日 22:13
ササキさん書き込みありがとうございます。この主人公(というかゲスト)ラムフォード大佐ですが、よく考えますと、結構卑怯です。スプリンガー候補生に救いの手を差し伸べるように振る舞い、実は陥れる…。エンディングの歌が、心地よく響くのも印象的ですね。「卑怯者もここにはいない♪」でしたっけ?
Posted by ぼろんこ at 2013年12月12日 21:24
マクグーハンの追加吹き替えは、中庸助さんです。

マクグーハンの吹き替えを「評決のとき」という映画で担当されています。

あまりなじみのない名前に思われるかもしれませんが、中さんは「ドラえもん」の登場人物であるのび太の父・のび助役の方です。

もともと加藤正之さんが担当されていましたが、加藤さんの体調不良により、2代目に抜擢されました。

しかし、佐野さんと声がぜんぜん違うので、ここがカットシーンだというのはすぐにわかります。

この辺のキャスティングは少々ミスかなと思います。


Posted by るてなんと at 2014年04月20日 23:46
るてなんとさん、コメントありがとうございます。「2代目・のび助」さんだったのですね(笑)それにしても、声というのは、なかなか特徴的なものなんですね〜。
Posted by ぼろんこ at 2014年04月28日 10:58
いつも、楽しくサイトを拝見させて頂いております。

コロンボは中学時代から見ていました。
今は、英語と日本語の両方で楽しんでいます。特に英語は勉強の教材です。

ところで、話は変わりますが、アメリカに住んでたときに聞いたのですが、
原題は、アメリカ国家の歌詞の歌い出しを抜粋したものだそうです。

舞台となる陸軍幼年学校と国歌との組み合わせとのことです。
Posted by DCT at 2014年05月18日 22:30
これは特に印象に残る作品の1つです。

仰る通り、兵学校で閉鎖的なシチュエーションがそれを示していますが、そこにコロンボが彼なりに対応する形が、実にユニークです
(マイペースとも言えますが笑)


特に吹いたのは、序盤の現場を検証するシーン。
大佐がコロンボを「どこかの知らないオッチャン」と関違いして、退出させるシーンは笑えました(笑)
(´ー`*)
それに合わせて
「そうしましょう」と合わせるコロンボも、さすがですね(笑)(笑)


ぼろんこさんのご指摘通り、青写真から大佐と理事長の確執を見抜き、動機に気づく点も華麗です♪
しかし夜中に、同僚に電話するのは・・ね(苦笑


ところで、あのリンゴ種は「カルヴァドス」でしょうか??ぜひ、飲んでみたいですね!!
生徒が、女子大生と付き合えるとは・・個人的な意見でアレですが、いつの時代でも、女子大生はステキです(笑)(´ー`*)

大佐の冷静かつ機転が利いた行動、本当に凄いですし、作品全体も絵になりますね!(^^)!
Posted by とっしーー at 2014年05月21日 22:03
DCTさんコメントありがとうございます。「By Dawn's Early Light」ですね、そうです!原題が、アメリカ国歌の一節からとられています。そのあたりも踏まえ近々、本文に加筆いたします〜。
Posted by ぼろんこ at 2014年05月22日 13:07
とっしーーさん、「カルヴァドス」「祝砲の挽歌」でネット検索したら、いろいろ勉強になりました。「リンゴのブランデー」みたいなものなんですね。
Posted by ぼろんこ at 2014年05月22日 13:12
個人的に一番の名作に挙げる作品です。

パトリック・マクグーハンの秀逸な演技。
3代目水戸黄門・佐野浅夫さんの貴重な吹き替え。
自身の理念に基づき起こした綿密な殺人計画。
厳かな陸軍幼年学校の雰囲気。
BGMを全て軍隊のものに統一。

この他、コロンボ警部の笑いどころもチラホラ。

結局、自分の理念により見過ごせなかったある事実を口にしたせいで暴かれた自らの犯罪。
そして、大佐の最後の言葉。

秀逸な脚本、名演技、大きな見どころ、たまにユーモア。

傑作だと思います。
Posted by タップおばさん at 2015年05月14日 20:00
あの名作と言われる祝砲の挽歌を書店のDVDボックスで見つけた時は大喜びしました。
来月中には手に入れます。
Posted by 矢倉戦 at 2015年06月15日 00:48
「祝砲の挽歌」の人気投票が単独5位に浮上しました。次回の更新で「矢倉戦」さんの1票、加えます。
Posted by ぼろんこ at 2015年06月17日 08:36
「祝砲の挽歌」というサブタイトルを付けた当時のNHKスタッフは凄い!(これ以上書くとネタバレになります。)
Posted by 矢倉戦 at 2015年06月18日 20:48
祝砲の挽歌!エンディングの歌声がぴったりハマってます。
Posted by ぼろんこ at 2015年09月30日 12:29
ぼろんこさんはじめまして。コロンボシリーズの顔ともいうべきマクグーハン作品の中では、私はこれが一番好きです。
 ところで、これは軍隊ものということで問題ないのですが、厳密に言うと「軍隊」ものではありません。吹き替えで陸軍幼年学校となっているために誤解が生じやすくなっています。本物の陸軍幼年学校は軍に所属する組織で教官は現役の軍人が中心です。しかし、ここはそうではなくて、私立の「予備校」にあたる学校にあたると考えられます。
 ここでいう「予備校」というのは、将来軍の学校に入学したい生徒に対して、受験に役立つようなカリキュラムで教育する学校のことで、したがって卒業生は確実に士官学校に入れるという保証はありません。また、軍との直接的な関係もありません。日本にもかつてあったけど戦後に普通の私立高校に変わりました。
 ちょうどこの作品が作られた頃はベトナム戦争でアメリカの負けが確定し、世の若者はラブアンドピースの文化に浸っていた時期に当たります。人々が戦争や軍隊に嫌気が差していた時代ですね。ましてや私立の軍隊式学校などは人気も低下し、時代錯誤もはなはだしく見えたのではないかと想像します。理事長や理事会(これがあるので私立だとわかる)が共学の短大に改変しようというのも無理からぬところでしょう。
 ですから、大佐が当たり前のように軍人式尊大さを振りまくのも、見る人によっては滑稽な軍隊ごっこに見えてしまうわけで、実は彼だって軍人の誇りと現実の間で苦悩していたのだと思います。しかし彼にはほかの生き方は考えられないし、そのようにして自分の道を貫こうとするところに、殺人犯であるにもかかわらず、視聴者が大佐に共感や感銘を覚えるのだと思います。
 ここでのマクグーハンは、完璧にそうした人物像を演じきっていて良いですね。
Posted by ray at 2015年10月22日 01:17
rayさんコメントありがとうございます。1票追加しました。詳しいお返事は放送後に書きますね。
Posted by ぼろんこ at 2015年10月24日 07:06
ノベライゼーションを読みますと、捜査の過程で次第にラムフォード大佐がコロンボにシンパシーのようなものを感じてゆくのがよくわかります。最後の場面、朝日を浴びるコロンボの横顔をラムフォードは心の中で「男の顔だ」と表現します。私はこの作品を初めて見た小学生時分、コロンボの「『私です』と言ってごらん!」のところ、子供心に鳥肌が立ったのを昨日のように思い出します。
Posted by 南部鉄瓶 at 2015年10月25日 00:04
コロンボさんは、どう見ても今風に言えば、ださくて、一頃流行ったオヤジ狩りの標的にされそうな、だめおやじ的な見てくれです。
でも、真の男らしさを、彼は、内に秘めていて、男、というだけでなく、人間としての強さを持っていると思います。
身近にこうした男性がいなかったことは、とっても残念ですが、見てくれや肩書やお金の有無でしか、人を見ることしかしなかった私には、たとえ傍にいても見分けられなかったんだろうなぁ、と今更ながら、つくづくコロンボさんの偉大さに感慨を深めています。
Posted by 宇野富士子 at 2015年11月06日 18:12
今日BSの再放送で観ました。おもしろかった。陸軍幼年学校という特殊な世界も興味深いし、ラストのリンゴ酒からのアリバイ崩し、コロンボの質問に答える生徒たちの一斉の叫び声がしびれた。
「見事な推理だ」と言う大佐のセリフ、そして「訓練終わり」でのしめくくり。これはもう最高です。
Posted by にゃんこ at 2015年11月06日 21:46
南部さん>私はまだノベライゼーションはほとんど読んだことがありません。老後の楽しみに…と思っています。「男の顔だ」ですね!素敵だ。映像では、そこまでのシンパシーは感じませんが、納得ですね。
 
富士子さん>私の周囲にもこんな男性はいませんね。特に今回のように、若者に接しているコロンボは素敵です。

にゃんこさん>BGMよりも、ラッパの音、生徒のかけ声、そんなものが背景に流れて雰囲気を作っていますね。
 
この作品に3票追加しちゃいましょう!

Posted by ぼろんこ at 2015年11月07日 06:52
初めまして。サイトの方はちょくちょく拝見させて頂いています。今まで見逃していた『祝砲の挽歌』をようやく視聴できました。素晴らしい作品でしたが、とても気になった事があります。
現場検証シーンの後ろ(パトカーが停車している場所辺り)で、一人の男性が歩いてきて制服警官に止められているのが確認できます。その男性は警官と何やら話していましたが、手前で演じてる俳優さんたちは特に気にしてる様子もありませんでした。もしかしたら素人が勝手に撮影現場に入ろうとしたのかな、と思っています。
Posted by 庭にハニワ at 2015年11月09日 01:57
犯人かどうかを見抜く方法

犯罪に関わる重要な問いかけに対して、
・犯人ではない場合
 →自然体で本質を臆さずズバリ話す。
・犯人の場合
 →それがどんなに難しい内容であっても用意された模範解答のように
  スラスラと解説風に冷静に説明する。
後は、空気でしょうか。コロンボが、ある程度目星をつけて疑うような
問いかけを発した時の空気感でかなりの真相が見えてくる。

その他犯人の場合は、以下の特徴がある。
・殺された人の性格や日常について、自分に不利にならないように無理に
 でっち上げる。。
・殺人事件なのに、ドギマギせず冷静でいる。
・問いかけに対して、至極冷静で一貫性ある回答ができる。
・事件前後、接触する人にやたらと時計で時刻を確認しあう。
・捜査に対して、当初は必要以上に協力的である。

大佐にとっては歴史ある陸軍幼年学校を守ることが最も大事であった。
黄金のバックルにおいては、美術館を守ることが最も大事だった。
愛情の計算では、息子を守る。
恋に落ちたコロンボでは、娘を守る。
別れのワインでは、会社と会社の尊厳を守る。
死者のメッセージでは、姪の魂を守る。
そういう点で共通している。
こういった私利私欲では無いところに犯罪動機がある場合の往生際は
きれいなものです。コロンボと犯人との間での最終的な信頼関係もできます。
また、わたし的にはエピソードの評価も高くなります。
Posted by トレモニ at 2015年11月10日 02:32
初めてコメントさせていただきます。毎日BSで放送されていて楽しんでます。刑事コロンボは、1970年代の初めから観ている者です。
佐野浅夫さんの吹き替えは、本当にハマってますね。皆さんと同じくコロンボシリーズで吹き替えが変わってしまうのが残念です。一体どんな理由なのでしょうかね。
Posted by 井下用水 at 2015年11月17日 18:10
>>井上用水さん

アメリカと日本における放送時間枠の問題です。
フルタイムで放送すると当時の日本では放送時間を越えてしまうので、カットしている箇所が随所にできるわけです。

一切声がないので気づかなくて当然ですが、
一番最初のシーン、大佐が大砲の火薬を細工し、兵器庫の物とすり替える4分ほどあるシーンは、
その4分を丸々カットしていたそうです。

吹き替え収録の際は「カットを施した映像」を使いましたが、
DVD収録や現在のテレビ放送ではフルタイムでオンエアすることが当たり前になってきた影響で、そのカットしていた映像にも新たに吹き替え収録を行った。

しかし、小池朝雄さんはお亡くなりになっていたのでコロンボ役は銀河万丈さんが、
犯人役は大半が別の人に代わっているのです。
(何故石田太郎さんではなかったのかは謎ですね)

佐野浅夫さんは再収録のオファーを断ったのかな?と思います。
「二枚のドガの絵」犯人役の西沢利明さんや「死の方程式」犯人役の野沢那智さんは追加吹き替えも続投してますが、
やっぱり20年以上お年を召されただけに少し違うな、と感じましたし。

個人的にこの作品の吹き替えにおいて不服なのは、
大佐がルーミス大尉を呼び出して「生徒のリンゴ酒密造」を調べろと告げるシーンが当時カットされていたことです。

ここはカットしちゃダメでしょうよ。
Posted by タップおばさん at 2015年11月18日 14:23
タップおばさん。
よくわかりました。
なるほど、やっと謎が解けました。
ありがとうございます。
Posted by 井下用水 at 2015年11月18日 22:18
「逆転の構図」や「歌声の消えた海」と同様に犯人や特殊な舞台設定がストーリーに絡んでおり、中期の刑事コロンボが最も円熟していることを示していると思います。このエピソードも大砲による爆殺という犯行方法の新鮮さが秀逸で、詰めの証拠に生徒たちが密造していたリンゴ酒の瓶を使っている点も洒落ています。
そして本作のもっとも大きい見どころは、最初から最後まで一貫して気高い軍人であり続けたラムフォード大佐の生き様でしょう。コロンボがシンパシーを感じる犯人としてはアビゲイル・ミッチェルと並び印象に残っています。
Posted by すぴっつ at 2015年12月16日 23:56
庭にハニワさん>よく発見しましたね!確かに水色のジャケットの男性が、映っています。警官役の俳優に止められていますね。面白いです。
Posted by ぼろんこ at 2015年12月17日 21:42
トレモニさん「犯人かどうかを見抜く方法」興味深く拝読しました。コロンボ警部もその点、いつも考慮していたのですね。
Posted by ぼろんこ at 2015年12月17日 21:45
この作品に1票追加します。
Posted by ぼろんこ at 2015年12月17日 21:46
日差しのあたる、校庭のあんなど真ん中で、大佐はよくもまあ詰め物が出来た
ものだ。秘書に抗論の模様を聞かせる偽装工作は「だまされたコロンボ」
でも出てきました。

クレーマー刑事が、コロンボの現場検証風景を見て「こつぁコトですよぉ〜」
と言う。つまり、クレーマー刑事はコロンボをよく知っていて、その挙動を
見ただけで、捜査に本気を出していると分かってしまうのだろう。
コロンボが本気になれば、周囲が見えなくなって、他の人は"置いてけぼり"に
なってしまうからだ。

途中、大佐の吹き替えの声が変わり過ぎで、調子くるいますね。

コロンボとスプリンガーとの会話は、非常に興味深い。
スプリンガーの言動から、
・砲身にボロを置き忘れたのはスプリンガーではない
・しかし、何かを隠している
という2つの事を、コロンボは嗅ぎとっている。
興味深いというのは、その様子を大佐へ説明しているシーンだ。
「布の正体を一目で認めたから、それはウソでないと分かる」と言う。
コロンボのウソ発見センサーの一端が開示された格好だ。
これまでの刑事コロンボでは、それをコロンボの表情や言動からくみ取る
ことしかできなかった。それが今回、そのロジックの一端が公表された
のだ。そして、大砲の清掃は名誉ある任務で、大佐に命令されたという。
スプリンガーは札付きなのに、なぜ名誉ある任務?・・・と、
大佐の苦しい言い訳と相まって、この時、容疑はスプリンガーから大佐
へと一気に傾く。

コロンボは校内で目的場所へ行くのに、かなり方向音痴だった。
一度方向を聞いたのも拘わらず、何度も聞き返していた。
しかし「別れのワイン」では、方向さえ教えてもらえば勘は良いほう、
と言っている。イタリア語もしゃべったり、しゃべれなかったりだから、
これもアリか。

ゼリグナイトの痕跡があるというところから、殺人事件として本格的な
捜査になったかの如くだが、それは表面上だけで、ウソつきコロンボの内心
では、そうではないだろう。コロンボの方向性に間違いなかったという
確信は深まったことだろう。

大佐「男女共学には理事会に拒否されただろう」
コロンボ「理事1人1人にあたる必要はない?」
大佐「・・・・・・・・・・・・・・・」
大佐「必要と思えばやることだ」→やや捨て鉢ぎみ
この時、すでに大佐は、半ば以上観念していた。

最後、リンゴ酒の見える時刻と場所とを特定され最終的な観念をする。
しかし、まったく後悔などしなかった。「あれは必要だった、わたしは
何度でもやるだろう」大佐の公私のケジメの付け方や責任感は極めて厳しい。
観念した後でも、マユ一つ動かさず、最後の指導にあたっていた。
もし実際の戦場にあっては、こういう冷厳な決断力こそが戦闘を勝利に導き、
負け戦でも被害を最小限に抑えることができるだろう。
まったく見事な最後だ。
Posted by トレモニ at 2016年01月11日 07:42
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I think that you can understand. I appreciate your self-control.

筆者ぼろんこが1970年代にNHKの総合テレビで刑事コロンボに出会った頃は小学生でした。それから30数年後の2009年にNHK BSで再会した時、その素晴らしさにあらためて感銘し、自分なりの解釈をブログに書きためるようになったのでした。