2010年01月01日

刑事コロンボ 17話「二つの顔」

刑事コロンボ「二つの顔」
Double Shock / 1973[第2シーズン 17話]

まさに二つの顔!


原題「Double Shock」に対し邦題「二つの顔」の示す通り、双子の兄弟デクスター・パリス(料理研究家)と兄ノーマン・パリス(銀行員)ともに「マーティン・ランドー」が、莫大な財産を持つおじを殺害します。

マーティン・ランドーと二つの大作戦


マーティン・ランドーはテレビアクションドラマ「スパイ大作戦」でローラン・ハンド役で有名な俳優さんです。同時期に「宇宙大作戦」のミスター・スポック役のオファーも来ていて、それを断わってスパイ大作戦を請けたそうです。ひとつ間違っていたら、レナード・ニモイと役者人生が入れ替わったか?と思うと面白いですね。

コロンボ的倒叙作品ではない


犯人が双子という設定を用いたお話で、殺害シーンを見せているにも関わらず、純粋な倒叙作品には仕上がっていません。見る側は「あらかじめ犯人を知っている」はずなのですが、二人が同じ顔なので真犯人が「弟デクスター」であるか「兄ノーマン」であるか、断定できないのです。

婚約者のリサの不可解?


殺されたおじクリフォード(ポール・スチュワート)のお相手リサ(ジュリー・ニューマー)は、結婚を金銭目的ではないと断言しています。本当にクリフォードおじさんに惚れていたのでしょうね。愛のカタチも様々です。

でも結果的には、この婚約が殺人事件の引金となりました、悲しいことです。リサは予め財産相続を放棄しておくべきでした。

双子犯人の不可解?


仲の悪い兄弟が手を結んで殺害を計画します。が、コロンボ警部の登場後、お互いに相棒が真犯人であるように見せかけることから「共犯」の疑いを持たれるリスクも増大しました。最終的に婚約者のリサが死亡しないと遺産が手に入らない状況になったことも致命的でした。ちょっと計画が甘かったかな〜。

ペックさんが大暴れ


クリフォード家のお手伝いさん「ペック夫人」は奇麗好きで、だらしないコロンボ警部と真っ向勝負。犯人から嫌われることには慣れている(それが手法の一部)警部ですが、お手伝いさんから嫌われることには抵抗があったらしく、不本意さを露にしている演出が面白いです。

ジャネット・ノーラン


このペック夫人(ジャネット・ノーラン)は、45話「策謀の結末」にも「オコンネル財閥の女王役」で出演しています。


ティム・オコナー


第二殺人の現場に居合わせる弁護士マイケル・ハザウェイは、後の作品である39話「黄金のバックル」で殺害されたエドワード・リットンと同一人物。「うさん臭い」キャラクターが似合います。


監督:ロバート・バトラー
脚本:スティーブン・ボチコ、ピーター・アラン・フィールズ
デクスター・パリス、ノーマン・パリス:マーティン・ランドー
ペック夫人:ジャネット・ノーラン
マイケル・ハザウェイ:ティム・オコナー
リサ・チェンバース:ジュリー・ニューマー
クリフォード・パリス:ポール・スチュワート

加筆:2015年11月7日
 
posted by ぼろんこ at 19:55 | Comment(28) | 中期作品(10話〜31話)
この記事へのコメント
犯人は二人
謎解きのトリックとしてはおもしろいです。でもただそれだけ。犯人の苦悩とか人生の哀歓とか、コロンボドラマに必須の要素が今回は希薄。まあ仕方ないですかね・・。そうそう傑作ばかりもつくれないでしょうから。
相続権のある二人の殺人ということになれば莫大な財産はだれのところに行くのでしょうか。
Posted by ササキ at 2013年12月09日 18:27
ササキさん書き込みありがとうございます。「犯人の苦悩とか人生の哀歓とか、コロンボドラマに必須の要素」…確かにそうですね〜。容疑者が二人いるということもあり、時間が足りなくなってます(笑)
Posted by ぼろんこ at 2013年12月12日 21:30
時々拝見しています。きちんと整理されていて敬服します。
今回気が付いたことがあります。マーティン・ランドーはスパイ大作戦でローラン・ハンドで有名ですが、彼の後任がアメージング・パリスことレナード・ニモイ。今回のパリスと共通しています。偶然でしょうが、ちょっと気になりました。
Posted by 通りすがり at 2014年01月11日 23:14

斬新なラストでしたね〜僕には弟だけが犯人かと思ってたんですが、確かに浴槽の件も、ヒューズの件も不思議な点がありますね^^;

綺麗好きのオバサン、僕は苦手ですなぁ〜〜笑
悪いのはコロンボですけど、確かに目の敵にしてますよね(汗笑)
僕もどっちかと言うと、コロンボタイプなんで
潔癖症な感じはイヤだなあ〜〜 Y(>_<、)Y

リサみたいなタイプの女性は、どの時代にも少数派でいそうな気が・・
体力ありそうなオジイチャンでしたけど・・

Posted by とっしーー at 2014年04月22日 21:11
通りすがりさん、お返事がたいへん遅くなりまして、すみません〜。「スパイ大作戦」は有名なテレビドラマですね!でもあまり見ていなくて、そのエピソードには気づきませんでした。

それにしても、コロンボにはその時代のヒーローやヒロインが、続々と登場しますね!素敵です。
Posted by ぼろんこ at 2014年04月28日 11:42
とっしーーさん、コメントありがとうございます。ペック夫人…怖かったですね(笑)使用人と呼ぶのでしょうか?他にも、忘れられたスターのレイモンドも素敵なキャラでしたね!

「リサ」はお金目当てでないなら…「財産相続を放棄」など、宣言しておいたほうが安全でした。
Posted by ぼろんこ at 2014年04月28日 11:53
コロンボシリーズとしての出来は決して傑作ではないですが、この話をペックさん目線で見ると哀愁のある良作ではないかとも思えます

敬愛する旦那様に死なれ、殺した犯人は大好きなパリス兄弟

デクスターとノーマンが連行され、コロンボに支えられながら退場していくペックさんを見ると“屋敷に残されるのはこの人独りか”と思い切なくなるのです
Posted by エース at 2014年05月20日 05:51
エースさん、コメントありがとうございます。ペックさんは連続テレビドラマを楽しみにしているのが、可愛いですね。
Posted by ぼろんこ at 2014年05月22日 13:29
録りだめている分を暇なときに見ています。

私は、コロンボのドラマは好きですが、コロンボという汚い風体でどこでもタバコを吸う無神経なキャラクターが嫌いなので、ペックさんの方に肩入れしてしまいました。その点、古畑はスタイリッシュで好きです。

日本の民法では相続開始前に相続放棄することはできなかったと思いますが、アメリカでは違うのかな?

また、弁護士がズルをしようとしましたが、遺言自体は有効なので、当然リサさんが相続するか、相続放棄した場合ほかに相続人がいなければ国庫に入るのでは? これも日本法の話ですが...

もうすぐ別れのワインが放送されるので楽しみです。ネタバレはご勘弁。
Posted by ペウゲオット at 2014年07月24日 22:44
リサさんは相続放棄する前に死んでいるので、相続放棄した場合の話は無理筋でした。一旦リサさんが相続した財産を、リサさんの相続人がまた相続することになりますね。

失礼しました。
Posted by ペウゲオット at 2014年07月24日 22:59
ペウゲオットさん、コメントありがとうございます。いずれにしても、資産家との「歳の差婚」は誤解を生みやすいですね。入籍不要だったのかな(笑)
Posted by ぼろんこ at 2014年08月14日 00:28
おひさしぶりです!

クスクス笑えるコロンボ好きのtakeです!


今回は、2つの顔を観てメールします!

コロンボ警部が料理番組に飛び入り出演するシーン、
恥ずかしいやら、誇らしいやらニコニコしながら料理するコロンボ警部が、あまりにチャーミングで可笑しかったです!


ぼろんこさんの、コロンボシリーズで笑えたシーンは何の回での、どんなシーンでしょうか?
Posted by take at 2014年11月27日 03:53
ぼろんこさん、面白く拝見させて頂いてます。
正月休みを利用してまとめてDVDで12話まとめて観ようとしています。
リサが財産放棄すれば良かったとの意見をお持ちのようですが、そうすれば双子の兄弟に財産が渡るので、それを良しと考えなかっただろうクリフォードが放棄させなかったのでは、と私は考えます。
Posted by テラオ at 2015年01月02日 19:15
takeさん、コメントありがとうございます。僕の「笑えるシーン」は、30話「ビデオテープの証言」での画廊の場面。換気口をアート作品と勘違いするコロンボ警部です!
Posted by ぼろんこ at 2015年01月08日 23:52
テラオさんコメントありがとうございます。「クリフォードが放棄させなかったのでは」ですね!確かにそうかもしれません。でも二人とも…殺されてしまうとは…思ってなかったでしょうね。(悲)
Posted by ぼろんこ at 2015年01月08日 23:57
ボロンコさん、いつも楽しくサイトを拝見させて頂いております。

話とは全然関係ないのですが、マーティンランドーさんの顔がモト冬樹さんにそっくりだなー。
と思いながら毎回見返してしまいます。口周りが特に。

弟の料理教室の場面のコロンボが素敵すぎます。
あの堂々とした佇まいと緊張で、『あー』しか話せないのがたまらないです。

リサの死は、要らなかったような、、、。コロンボが関わってから人が亡くなるのは後味悪いですT_T。

ついつい周りにコロンボファンがおらず、話を共有したくコメントを残したくなり長々と失礼しました^ ^
Posted by パンナコタ at 2015年06月24日 01:43
パンナコタさん、コメントありがとうございます。「マーティンランドー=モト冬樹」は傑作ですね!「料理教室」はフォークの演技がピカイチです。人なつっこさが出ています。「リサの死」は同感です。他にもこのような展開はありますね、構想の死角、二枚のドガの絵などなど、第二殺人が起こります。話の展開上で必要なものが多いですけど。
Posted by ぼろんこ at 2015年09月30日 12:27
脚本が何か好みじゃなかった。
決め手も何となく腑に落ちない。

ただ、マーティン・ランドーの演技は良かった。

双子というキーワードを最大限に使えなかったのがもったいない。
Posted by タップおばさん at 2015年10月03日 21:59
これも、ある意味「溶ける糸」がかの「宇宙大作戦」スポックのニモイであること同様、「スパイ大作戦」のランド―であることを前提とする作品でしょう。彼の出世作はハッキリ言って「そう上手くいくかしら?」とツッコミたくなる詐術ゲーム。その中でランド―は毎回あの濃い顔(笑)で様々なキャラクターになりすましシレーっと敵を欺いていました(笑)。本作は、それを逆手にとって一人二役をランド―にいけしゃあしゃあと(笑)演じさせ、ランド―もそれに応えて(笑)面の皮の厚い(笑)双子役を演じたのがポイントですね(笑)。
Posted by 小笠原功雄 at 2015年11月03日 11:00
タップおばさん>日本語吹き替えの声が、ちょっと暗めなのも魅力を倍増させています。
 
小笠原さん>「スパイ大作戦」のこと、ブログ本編にも加筆させて頂きます。

この作品に2票追加します。
Posted by ぼろんこ at 2015年11月07日 07:09
スカっとしない終わり方で、こんな証拠で殺害まで認める必要もないよ。
・2人いないと殺害できない
・電話記録で、デクスターとノーマンは頻繁に電話していた
・車で去った時、手を振った
なぜこれが、直接的にデクスターとノーマンの犯行にひも付くのか?。
コロンボが主張する犯行経緯は行間を埋める連想にしかならない。
認めたら負けだが、認めなかったらペック夫人の応援もあって
裁判では勝てる。
Posted by トレモニ at 2015年11月08日 16:47
このエピソードはトリックは面白いもののストーリーに魅力が乏しいという意見が多いようです。でもぼくはなかなか魅力的なエピソードと考えています。とにかくデクスターとノーマンのふたりを見事に演じ分けているランドー氏の演技がすばらしいです。他の多くのエピソードと同様に、吹き替えの滝田氏の声の演技も振るっていました。他にも料理番組や、ペック夫人とのやりとりなど愉快なシーンが目白押しです。まあ、コロンボに熱中し出した時期に初めて観たという思い出も手伝って評価が上がっている所もあるかもしれませんが。
Posted by すぴっつ at 2015年11月17日 22:39
冒頭からペック婦人に嫌われてるコロンボ警部
事件を解決することで汚名返上
素晴らしいカタルシスですね
Posted by army at 2016年02月20日 02:00
刑事役でスティーブマックィーンでてましたね 一瞬ですが
Posted by カマチャン at 2016年03月03日 01:40
この作品に1票追加します。
Posted by ぼろんこ at 2016年03月11日 20:42
リサはコロンボの尋問中、急に機嫌を損ねてコロンボを部屋から追い出します。
この時点ではリサも共犯、もしくは犯人に上手いこと言い含められているのでは、と思わせてくれて、より謎が深まり楽しいのですが、最後まで見終えてから思い出してみると、全く意味不明なシーンでした。
何か説明ってありましたっけ?

それは置いておいて、料理番組にコロンボがアシスタントとして引っ張り上げられたシーンは本当に楽しかった。
あれ少しアドリブもあるのかしら、二人とも素でゲラゲラ笑っているみたいでとても楽しかった。
Posted by あじ at 2016年03月30日 21:29
>あじさん
 コロンボはリサに対し「入籍前だからあなたに相続権はなく、動機がない」といったわけですが、リサはすでに自分が相続権を持っていることを知っているわけです。

 事故ではなく、殺人、しかも遺産を目的としたものであろうと聞かされたからこそあのような態度となったのだと思います
Posted by バーディ at 2016年12月25日 14:53
たしかに傑作というほどではなかったですが、個人的にはわりとよかったです。
犯人の苦悩や人生の哀歓は描かれていませんが、最後のペック夫人の困惑や哀しみを想うと、コロンボ作品で初めて思わず泣きそうになってしまいました。ただ中年の口うるさいおばさんに見えても、長年仕えてきた使用人として、また母親代わりとしての人生の中で、いろいろな感情の機微があったんだなぁと思いました。もう立派な、人から見れば全然可愛げのない双子を、「母親」として信じていた気持ちや、長年仕えてきた屋敷の関係者がパタパタと消え、一人取り残された気持ち、そんなことが起こるとも思わず、昼ドラを楽しみに生きていた退屈に見えて平穏な生活を思うとかなり切なく、また当惑と悲しみに暮れる彼女の手を気遣うように取ろうとするコロンボがすごくカッコよく見えました。

クリフォードのキャラもよく、作品が断然おもしろくなったと思います。リサが死ぬのは予想外でした。

双子のやり口に関しては、ダイタクという双子漫才コンビのネタでたまたま耳にした、マレーシアのラジ兄弟という一卵性双生児の事件を思い出しました。笑
確実にどちらかが犯人なのですが、どちらの犯行も完全には立証できず、どちらも無罪になったというものです。
今回、誰にも見られていないですが、二人とも疑われることは想定内でしょう。しかし、どちらが犯人かという誤った推理を誘発させる筋書きだったので、ラジ兄弟の事件を思い出したのだと思います。
Posted by もだん at 2017年11月03日 14:41
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筆者ぼろんこが1970年代にNHKの総合テレビで刑事コロンボに出会った頃は小学生でした。それから30数年後の2009年にNHK BSで再会した時、その素晴らしさにあらためて感銘し、自分なりの解釈をブログに書きためるようになったのでした。