2009年11月01日

刑事コロンボ 31話「5時30分の目撃者」

刑事コロンボ「5時30分の目撃者」
A Deadly State of Mind / 1975[第4シーズン 31話]

精神科医のマーク・コリアーが愛人ナディアの夫カール・ドナーを殺害。計画殺人ではなく、妻との愛人関係に気付いたカールが二人の密会現場に居合わせてしまったためです。このような展開上、私の好きな刑事コロンボのストーリーは望めませんでした。

ジョージ・ハミルトン


犯人役のゲストスター「ジョージ・ハミルトン」は日本でも有名な俳優さんですね。後の57話「犯罪警報」にも犯人役として出演しています。独特な色気を持った俳優さんです。

犯行を愛人のナディアに目撃されているので、コリアーにとってはかなり不利な状況でした。強盗による犯行に見せようと努力しますが、状況証拠やナディアの曖昧な供述による矛盾をコロンボ警部に見抜かれて、どんどん追いつめられてゆきます。

また出た、コロンボ警部の大芝居


状況証拠は十分でも、決め手が無い。コロンボ警部は「偽の目撃者」を仕立てます。コリアーは「自分は5時30分にドナー邸に居なかった」と跳ね返せば、良かったのでしょうが、人の心理を読むコロンボ作戦はまんまと成功します。不利な状況にある人間は「正当な部分は主張したがる」ということです。これは27話「逆転の構図」でポール・ガレスコが犯したミスと似ていますね。

おぉ、マーチソン博士!


「偽の目撃者」であるデビッド・モリス(兄)は、18話「毒のある花」でマーチソン博士を演じたフレッド・ドレイパー。兄弟が並んだ場面で、眼鏡を外した瞬間に「おぉ、マーチソン博士」と叫んでしまいました。日本語版は「永井一郎さん(サザエさんの磯野波平役で有名)」


おぉ、パジェット将軍!


また被害者のカール・ドナーはステファン・エリオットで、この作品より14年後、49話「迷子の兵隊」でパジェット将軍を演じています。カール・ドナーの日本語版は「大平透さん(ハクション大魔王)」


犯罪警報のウェイド・アンダースで復帰


ゲストスターのジョージ・ハミルトンはこの16年後(1991年)の57話「犯罪警報」に再登場します。エリオット(パジェット将軍)の変貌ぶりを考えると、「犯罪警報」のハミルトンは「流石、若作り!」と拍手を贈りたくなります。

脇役としてはボーデン医師のカレン・マッコーンも素敵でした。コリアーから「勤勉に働け」と叱咤された場面、コロンボ警部から「殺人事件について質問しているんですよ!」と叱られた場面など印象的です。


コロンボ警部、またまた大ショック


クレーマー刑事「ブルース・カーヴィ」も光っていました。愛人ナディアの飛び降り自殺(実際には殺害された)の現場でカール・ドナーの所持品を発見した際の「コロンボ警部、またまた大ショック」は最高です。しかも、別の着眼点に夢中のコロンボ警部に無視されていました。


ランズバーグ先生とコリアー先生は同僚だ!


31話「5時30分の目撃者」の精神科医コリアー先生と、32話「忘れられたスター」の外科医ランズバーグ先生の病院は同じでした!詳しくは「廊下に色ラインが描いてある病院」をご覧ください。

監督:ハーヴェイ・ハート
脚本:ピーター・S・フィッシャー

マーク・コリアー:ジョージ・ハミルトン
ナディア・ドナー:レスリー・アン・ウォーレン
ボーデン博士:カレン・マッコーン
カール・ドナー:スティーブン・エリオット
クレイマー刑事:ブルース・カービー
デヴィッド・モリス:フレッド・ドレイパー

加筆:2012年12月27日

※2010年06月24日に、コメントを頂きました。フレッド・ドレイパーはやはり「兄:デビッド・モリス」で間違いないと思うのですが…。
兄=デビッド・モリス(フレッド・ドレイパー)「偽の目撃者」
弟=ダニエル・モリス(ジャック・マニング)「真の目撃者(目が不自由)」です。

M.Sさま、コメントありがとうございました。(お名前はイニシャルとし、メールアドレスは削除しました)
 
posted by ぼろんこ at 19:55 | Comment(14) | 中期作品(10話〜31話)
この記事へのコメント
違っていたら御免なさい。6月24日、衛星放送の『5時30分の目撃者』を見ました。フレッド・ドレイパーが演じたのは弟のダニエル・モリスで、兄のデビッド・モリスを演じているのはジャック・マニングだと思うのですが。弟が兄に扮して犯人のジョージ・ハミルトンを騙したのです。コロンボ警部は、「あんたが5時30分に出会ったのは、お兄さんのデビッドだ」と言って、後から登場するジャック・マニングを紹介しました。
Posted by M.S.さま at 2010年06月24日 23:36
病院床のラインですが、それ程珍しいのしょうか?私が毎年健康診断を受ける病院も床ラインがあるので、普及しているものだと思っていました。もしかしてコロンボファンの院長さんが真似をしたのかもしれませんね。
Posted by minimum at 2014年03月08日 07:06
minimumさん、コメントありがとうございます。病院床のラインは珍しくないかもしれませんね。注目したいのは、両作品が31-32と続いていることです。同じ場所でぱぱっと撮影している感じで、リアル感があるな〜ってね。
Posted by ぼろんこ at 2014年03月26日 00:13
> フレッド・ドレイパーはやはり「兄:デビッド・モリス」で間違いないと思うのですが…。
合ってますよ。
Co-Starring の画面に JACK MANNING (改行) as Daniel Morris,
With の1画面目に FRED DRAPER (改行) David Morris とあります。
Posted by a at 2014年05月16日 21:09
ナディア役のレスリー・アン・ウォーレンという女優さん。

凄まじい色気を持った人だなぁという印象でした。
Posted by タップおばさん at 2015年05月14日 21:22
タップおばさん>病気の設定だと思いますが、病的な魅力を感じました(笑)
Posted by ぼろんこ at 2015年05月22日 19:23
私はこの逆転劇、けっこう好きでした。

コロンボファンですが、スパイ大作戦のファンでもあります。
レスリー・ウォーレンはスパイ大作戦シーズン5レギュラーで、この作品よりさらに若い分、とんでもない美しさでしたよ。
Posted by スパイ大作戦 at 2015年05月30日 16:59
スパイ大作戦さん、コメントありがとうございます。レスリー・ウォーレン=スパイ大作戦…ですね。覚えておきます!
Posted by ぼろんこ at 2015年06月17日 11:52
語るに落ちた格好ですね。
犯人自らが目撃者になるという逆転の発想ですね。
アリバイのダイヤルでも逆転の発想が使われました。
テープに録音されている音ではなく、録音されるべき音が入ってないという。
それが、最後のどんでん返しになるという面白さです。
知的犯罪者は巧妙に仕組んだつもりでも、小さな抜け穴を積み上げて
精神的に追い込んでいって、最後に自ら墓穴を掘らせるという
コロンボ一流の締めくくりでした。スカっとしますね。
Posted by トレモニ at 2015年11月08日 21:09
コリアーがナディアへ電話して催眠状態殺人を行ったのは、
通話履歴が、一つの証拠となるはず。
なぜ、コロンボは通話履歴を確認しないのか?。
ピーター・フォークは、やってておかしいとは思わんのかな?。

最後、コリアーは、もう少し冷静に対応すべきでした。
途中までは「カールが死んだときは市内にいたんだ」と言っている。
「ぼくは医者なんだよ。見れば(失明は)スグ分かるさ」
そこまでは冷静だった。
たとえ「見えないはず」と断言しても、見ればスグ分かるという
医者であれば、その後の言い逃れできるはず。
結局、感情負けです。こういうのが多いね。
Posted by トレモニ at 2015年12月07日 04:56
独特なムードが最高のエピソードのひとつで、全体にほとばしる緊張感がたまりません。
また、マティーニのグラスの位置、カーペットに落ちていたライター石、コリアーが事件当夜だけマッチを使っていたこと、といった分散配置された事象から、ナディアが嘘の証言をしたこととタバコを吸う第三者がいたことを導き出す推理の過程も十分楽しめます。
さらに、珍しく犯人に対してちらりと敵意をのぞかせるコロンボの姿が見られる港での対決は、シリーズでも屈指の名シーンといえるのではないでしょうか(「じゃあ僕は最有力の容疑者ってわけか?」「容疑者って言葉は弱すぎますね」)。
そしてジョージ・ハミルトン氏演じるマーク・コリアーというクールでハンサムな犯人像を創り上げた点も特筆すべでしょう。
Posted by すぴっつ at 2015年12月21日 00:08
すみません。
「A Deadly State of Mind」の意味を教えてください。
Posted by 今井節子 at 2016年02月25日 21:58
今井節子さん、
僕は英語不得意なのですが、以前コロンボの研究サイトで確か直訳は『壊滅的な精神状態』と書いてありました。
Posted by すぴっつ at 2016年02月26日 18:08
すぴっつ様
即教えて頂き感激です。
なるほどですね。「壊滅的な精神状態」
とっても納得しました。やっぱり原題の方がどれも面白いですね。(なんて分かってないくせに...)

シリーズも終わってからずいぶんと経つというのに、今頃また片っ端から作品を見ています。それが何故か前より面白い。意味が分かる。何故かしら??
Posted by 今井節子 at 2016年02月28日 12:50
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筆者ぼろんこが1970年代にNHKの総合テレビで刑事コロンボに出会った頃は小学生でした。それから30数年後の2009年にNHK BSで再会した時、その素晴らしさにあらためて感銘し、自分なりの解釈をブログに書きためるようになったのでした。