2009年09月12日

刑事コロンボ 38話「ルーサン警部の犯罪」

刑事コロンボ「ルーサン警部の犯罪」
Fade in to Murder / 1976[第6シーズン 38話]

2010年4月2日の放送を不覚にも見逃し、7月1日のNHK BSでの再放送を慎重に録画し無事に見ることができました。これで刑事コロンボシリーズ全69話を全て見たことになります。

カーク船長


犯人ルーサン警部こと俳優ウォード・ファウラーは、ウィリアム・シャトナー:スタートレック(宇宙大作戦)のジェームズ・カーク船長。シャトナーはその後63話「4時02分の銃声」にも出演。2010年のバンクーバーオリンピックの閉会式でも、その健在ぶりを拝見しました。

パベル・チェコフ


トニーの店での初期捜査に参加するジョンソン刑事はウォルター・ケーニッグで宇宙大作戦スタートレックのロシア人将校チェコフでした。コロンボ警部との共演で、すごく楽しそうに演技しています。


ティモシー・ケリー


デリカテッセンの主人トニーは、2話「死者の身代金」5話「ホリスター将軍のコレクション」などで毎回レストランのオヤジを演じる「ティモシー・ケリー」


ジョン・フィネガン


テレビ局のAD(セットの裏でコロンボ警部と遭遇する男性)は、他の刑事役やバーニーの店の主人を演じる、言わば準レギュラー級の俳優「ジョン・フィネガン」


フレッド・ドレイパー


さらに冒頭シーンで大根役者を演じるのは、18話「毒のある花」31話「5時30分の目撃者」37話「さらば提督」と多数出演のフレッド・ドレイパー


シェラ・デニス


そして、殺害されたクレア・デイリーの旦那の秘書(愛人)モリーはシェラ・デニス(ピーターフォークの嫁)でした。彼女は42話「美食の報酬」50話「殺意のキャンバス」58話「影なき殺人者」66話「殺意の斬れ味」64話「死を呼ぶジグソー」にも出演。


ここが見逃せない!


撮影を中断して、ウォードのギャラについて議論をしているテレビ局の役員。2010年の再放送の初見当時はこの人の名前がどうしても分りませんでした。

7話「もう一つの鍵」で、犯人ベス・チャドウィックに「自分の方針に逆らうなら再就職を考えなさい」と脅される役員。30話「ビデオテープの証言」でもブロンソン巡査にも酷似している俳優さん。
▲2013年1月15日に、この俳優さんの名前が明らかになりました。「フランク・エメット・バクスター」さんがその人です。ルーサン警部の犯罪の役名はウォルター・グレイ(撮影所の所長)。

ちょっと難解なストリーの序盤


ストーリーは面白いと思いました。が、作品の時間が短いので少しヒントが省略されすぎていて、見逃し易いエピソードだった気がします。「クレアがトニーの店でサンドイッチを買う」という電話での話も、聞き逃しそうでしたし、二人の会話を良く聞かないと「クレアがウォードを恐喝している」ヒントには気付きませんでした。

クレアがもう少し悪人に見えたら…


実際にはクレアはウォードのギャラの半分を奪い取っていました。でも何となく…クレアのキャラクターがそれほどの悪人に見えません。素敵な女優さんですが…すこし残念。

決定的な証拠は不完全燃焼


洋服の弾痕のずれ、マスクの化粧など、捜査段階でのコロンボ警部の「着眼」は見事です。それに対し「証拠」とされた空砲の指紋は、残念です。もっとストーリーの流れの中で「証拠」を引き出したかったですね。例えば11話「悪の温室」のように。

ルーサン警部の身長は?


ルーサン警部の身長が話題になるシーン。演じたウィリアム・シャトナーは公式発表で177cmだということですが、少し…サバを読んでいるかな?

監督:バーナード・L・コワルスキー
脚本:ルー・シャウ、ピーター・S・フェイブルマン
ウォード・ファウラー:ウィリアム・シャトナー
クレア・デイリー:ローラ・オルブライト
トニー:ティモシー・ケリー
モリー:シェラ・デニス

加筆:2015年10月5日
 
 
posted by ぼろんこ at 19:57 | Comment(26) | 後期作品(32話〜45話)
この記事へのコメント
 私も放送を見ていたとき、時間の制限のせいか、わかりにくいところが何箇所かありましたが、あとで、ノベライゼーション(二見書房)を読み直してみて、ああなるほど、と理解したものです。コロンボ・シリーズは内容に出来不出来はありますが、ある一定の水準には達していると思います。69話もあれば、すべてが傑作、名作とはいかないとは思いますが・・・。でもこの作品の設定は非常に面白いと思います。
Posted by 柞山 明 at 2011年01月29日 14:00
柞山さま、コメントをいただき、ありがとうございました。

> ノベライゼーション(二見書房)を読み直してみて、ああなるほど、と理解したものです。

やっぱりそうでしたか。自分は小説版は読んでいませんが、コロンボ警部が、ウォード・ファウラーの自宅を訪れ、ドアの閉め方がわからなかった辺りのシーンで、本当はもう少し足したかった場面があったのではないかと感じました。被害者クレアの人間性や夫婦関係が背景にあって、この事件は展開してゆきますが、そこも少しあっさり片付けられていますよね。

ウィリアム・シャトナーの出演作としては、63話「4時02分の銃声」の方が出来が良かったのではないか?と思ったりします。
Posted by ぼろんこ at 2011年01月29日 15:40
アリバイ工作のために、睡眠薬で眠らせた友人を
ゲストルームに運びますが、その寝室の脇に、
なぜかパチンコ台があるんですよね。

アメリカ製のウォールマシンかとも思いましたが、
どうみても日本のパチンコ台にしか見えません。
ルーサンの趣味でしょうか。

でも、どうやって手に入れたんだろう?
Posted by kuri at 2013年10月08日 08:17
kuriさん、たいへん面白い情報をありがとうございます。「日本のパチンコ台」気づきませんでした。次回は見逃しません(笑)
Posted by ぼろんこ at 2013年10月08日 11:34
BSプレミアムで毎週やっているコロンボを楽しみにみています。
そして、みるまえに予備知識としてこちらのブログを見せていただいています。
いつもありがとうございます。とても参考になります。
Posted by kimi at 2014年04月26日 14:10
管理人様の仰るとおりに、放送尺の短さから
『犯人の落ち度をネチネチ(笑)追い込んでいく』
という展開が少なく、設定が面白い割には
イマイチ見応えに欠ける作品ですねぇ。

後、犯人役の吹き替えが山城新伍氏で、顔が
浮かびすぎて、ストーリーにのめり込みにくい
(笑)作品でもあります。
Posted by フライデー at 2014年04月27日 23:06
フライデーさんコメントありがとうございます。(コメントを書き直されたかな?と判断し、一つ目は削除しました)

山城新伍さんの吹き替え…確かにそう感じます。私の好みから言いますと…ウィリアム・シャトナーは、何と言っても「矢島正明さん」の声がしっくり来ますね〜。
Posted by ぼろんこ at 2014年04月28日 11:38
kimiさん、コメントありがとうございます。つたない文章ですが、読んでくださってありがとうございます!とても励みになります。
Posted by ぼろんこ at 2014年04月28日 12:35
デニスでしたか〜あの艶があり、色気が全面ではなくヒシヒシと伝わってくる感じ・・キャッ♪(*ノдノ)
ピーターフォークの嫁さん、ク〜〜羨ましい!笑
なんかフォークと似た人が好きで、ちょっと嬉しいです!(^^)!

で、二人の名警部ぶりが実に良く描かれていた作品で、仲良し警部作品みたいな感じで
とても楽しめました。
でも確かに仰る通り、時間が短く・・もうちょっと見てみたかったですね^^;

ラストシーンまでは、僕もコロンボ同様、ルーさん警部が好きでしたが、最後でお話と現実をごっちゃにしたのが、ちょっと残念でしたね。
コロンボ自身もそういった表情を見せていました。。
過去に色々あり、それを揺すられたって所ですが、それも自分なのだから、堂々としていればもっとカッコ良く映ったのかもしれません♪

なんか、いつぞやの作品でコロンボが演説するシーンを思い出しました^^
犯人がした事はダメだが、あたしゃ彼らを時に
尊敬し、人間的にも魅力を感じる・・だったかな?
それの意味が、コロンボの作品を見るにつれ
日に日に分かってくるのです(´ー`*)


しかし解せないのは、あのハゲ親父と秘書のデニスが一緒にいること・・ ( ゚,_ゝ゚) 
金ですかね?笑
ルーさん警部の方が、イケメンだと思うんですがね!
Posted by とっしーー at 2014年06月24日 22:14
コロンボシリーズでのシェラ・デニスは、天然キャラまたは意地悪な女性の役が多いのですが、実際には優しい女性のような気がします。
Posted by ぼろんこ at 2015年10月02日 22:23
決め手がねぇ。

何か唐突に出てきた感じがなんか残念。
上手いこと伏線があれば面白かったのに。
Posted by タップおばさん at 2015年10月03日 23:24
終わり方がスカっとしないですねえ。裁判では勝てますがね。
どんでん返しには違いないが、ガッカリな終わり方です。
このエピソードでは、終盤へ至るまでの神経戦を楽しむ感じかな。
黄金のバックルと違って、全体的には明るい印象を受けました。
Posted by トレモニ at 2015年11月08日 19:07
ジョーズのサメが笑えますね。絶対違うし。
でも、なぜあの場面でジョーズが水噴いているのかが分からない。
Posted by トレモニ at 2015年11月11日 00:49
ぼくは決め手の証拠は説得性に多少難があっても予想外で楽しめればけっこう許せてしまえるのですが、このエピソードはあまりに唐突に出てきてしまっているのが非常に残念です。予想外ではあっても、その前に何らかを匂わす伏線が欲しいのです。
弾痕のズレ、犯人の身長といった手がかりも悪くないのですが、新味に欠ける気がします。
Posted by すぴっつ at 2015年11月16日 11:30
空弾って、偽の弾丸って事ですか?
Posted by のんちゃん at 2015年11月20日 18:34
殺す方と殺される方が、とてもフレンドリーだなあ。全然葛藤や暗闘が
無いよ。それもそうだが、全体的に雰囲気がおかしいね。切迫感がない。
コロンボと犯人の初対面の会話・・・なんかくさい芝居がかっている。
セリフが良くないのかな?。

犯人は自分の番組企画を、クレア殺しで叶えようとしていたのか。
筋書きと現実とが行ったり来たり。
遊んでるの?。だから切迫感がないのだろうね。だから雰囲気がおかしい。
なんでグラスを持ったままで、隠し場所の拳銃を取りに行っているんだ?。
怪物フィールディング・チェイスと大違いだな。

ルーサン警部は、ウォード・ファウラーが犯人かもしれないと言いだした。
しかもルーサン警部は動機すら自ら語り出す始末だ。これは、ウォードに
絶対的アリバイがあるから、余裕なのだろう。コロンボは、ここでも
動機、手段、チャンスを余さず見ている。
ビデオカメラの装置を見せるのは、レスリーが電話機の仕掛けを見せる
のと同じだ。フレミング曰く「見くびっていた連中」そのものだね。

クレアがウォードを強請っていた根拠が分からずじまいだった。コロンボ
が言うように、クレアが秘密をバラしてウォードが落ち目になったら、
もう金を強請れなくなる。稼げなくなる。クレアの大事な番組がポシャっ
てしまう。これは、ウォードの殺害動機すら怪しくさせてしまう。
借用書はダンナに引き継がれるので、動機にはならない。

ウォードは「強請り屋だったから殺した」と言った。それは企画内容?。
でも強請る根拠が乏しいどころか、その材料は共倒れになる内容なのだ。
つまりリスクを冒して殺す必要は全くない。
むしろ、採用されなかった自分の番組企画をリアルに実現してみたくなった
のではなかろうか。それが大なる動機?。そのアテは外れてしまった。

空弾の指紋が証拠と言うが、犯人が手袋をしていたとすると、以前の指紋が
残っていたんだと言い訳できないか?。語るに落ちた自爆だな。
Posted by トレモニ at 2015年11月21日 18:44
今日気づきました。

ルーサン警部邸は、「仮面の男」の犯人ブレナー邸と同一の建物ではないでしょうか!?
Posted by けい at 2015年11月21日 23:25
> けいさん

確かに、緑に覆われた入り口を見ても同じ邸宅ですね。
Posted by トレモニ at 2015年11月22日 04:09
>トレモ二さん

レスありがとうございます。
そうなんです。暖炉付きの広〜いリビングに置いてある巨大なソファ、そのままです。クッションも同じに見えました。

すごいなあ と思ったのは、部屋がそれぞれの人物を物語るように作られているということでした。ブレナーの回ではがらんとした(スッキリとした)家具の配置。少ない家具は東洋テイストもちらほらでハイセンス。参りました、って感じのブルジョア感でした。でもルーさん警部の部屋は結構物がたくさんあって、もっと人間臭い感じがする。ご自慢のビデオセットは言うに及ばず、です。

あれ? と思った点は、ブレナー邸リビングのショットで、数分前にコロンボが入ってきたはずの玄関ドアの前に、何やら大振りの家具が置かれてしまっていたことでした。いつの間に? コロンボをこのまま帰すわけにはいかないということでしょうか? 
Posted by けい at 2015年11月22日 07:17
けいさん、トレモ二さん>確認しました、「ネルソン・ブレナー邸」と「ウォード・ファウラー邸」は、同じです!ワクワクするような新事実です。検証して後日本文に加筆します。ありがとうございます。
Posted by ぼろんこ at 2015年11月25日 10:18
・「ルーサン警部の犯罪」ウォード・ファウラー邸
・「仮面の男」ネルソン・ブレナー邸
 これに加えて、、
・「二つの顔」クリフォード・パリス邸
 これも同じ邸宅です。
Posted by トレモニ at 2015年12月09日 05:06
トレモニさん>クリフォード・パリス邸!確認しました、後日、本文に加筆します。ありがとうございます。
Posted by ぼろんこ at 2015年12月11日 09:00
ウォード・ファウラーの心象風景とは、どんなだっただろうか。
想像してみる。
クレアが自分を作り上げた。しかもギャラをアップさせる交渉力もあるので、
感謝していることは間違いないだろう。ギャラの半分を献上しても、元々は
半分どころか10分の1も稼げなかった身分だったことを考えれば、とても
殺害動機にはならない。経済的にも豊かになったウォードではあるが、
そもそもが甘い人間だったので、お金は手元には残らない。逆にクレアに
借金する始末だ。過去、ウォードとクレアは恋仲だったが、現実的な女性の
クレアとしては、ウォードのそんな甘さに愛想を尽かした。反面、役者として
の可能性を見いだし、成功させる。そのような過去と現実とを背景に、
ウォードとクレアの均衡は保たれていた。

その均衡が崩れたのが、ウォードが考えた企画だった。ウォードは頭脳明晰
なルーサン警部を演じつつも、犯人役をしたいという衝動が沸き起こった。
その衝動と現実とが、ウォードの中で、ない交ぜとなった。つまり、現実の
自分はクレアに強請られている。クレアは外には交渉力もあり内には自分を
いか様にも料理してきた、いわば暴君だ。企画としては、暴君に虐げられて
いる主人公の復讐劇だ。しかも、暴君の横暴ぶりに、視聴者は主人公に同情
する設定にしたい。ウォードは、完全犯罪のカラクリまで考え出した。
そして、その同情される殺人犯を演じたいという衝動と、クレアとの関係を
解消したいという気持ちが合わさって殺害動機となった。ウォードのドラマは、
そこで完結するはずだった。

ところが、コロンボ警部の登場で、続編が出来てしまう。はじめは、
頭脳明晰なルーサン警部としては、その様々な一端をコロンボに魅せつける
ことで自己満足を得ようとした。しかし、コロンボの地に足のついた捜査過程
を見るにつけ、魅せつけるどころか逆になった。コロンボの理路整然とした
捜査は、確実にウォードに迫ってきている。その捜査の方向性の正しさには、
ルーサン警部としても同意せざるを得ない状況になった。その状況は、
ウォードにとっては苦しくも楽しいものだった。自分の企画内容の真相が
暴かれる。真犯人は確実に追い込まれつつある。事件解決は正しく
行わなければならないという、これまで繰り返してきたルーサン警部の
クライマックスに近づくし、その協力も惜しまないウォードだった。
そして、ゲームオーバー。
Posted by トレモニ at 2016年01月14日 18:09
「白鳥の歌」トミーと「ルーサン警部の犯罪」ウォードについて比較する。
共通点
・犯人はトップスターである。
・スターとして致命傷になるネタで強請られている。
・強請りは共倒れになる内容なので、実行される可能性はまず無い。
相違点
・トミーは、ギャラ全てを搾取されている。半分を懇願している。
・ウォードは、ギャラの半分を搾取されている。
繰り返すが、トミーは収入の半分で満足すると言っているのだ。
これは、如何にウォードの殺害動機が歪んでいるものかを物語っている。
Posted by トレモニ at 2016年01月15日 17:02
すいません、わからないので教えていただきたいのですがルーサン警部はなぜクレアをわざわざ窓のところまで歩かせてから撃ったんですか?正体がばれた時点で正面から撃ってしまえばよかったんじゃないですか?おかげでコロンボに疑念を抱かれることになったし。
Posted by ジーサン警部 at 2017年01月14日 23:32
初めまして。
この間、テレビで放送されているものを視聴した者です。

ルーサン警部が冷蔵庫(?)のようなところから取り出して来て、食べていた緑色のお菓子か野菜のようなものが気になって気になってしかたがありません。もしご存知でしたらお教えいただければ幸いです。
Posted by 靴墨 at 2017年04月06日 20:06
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I think that you can understand. I appreciate your self-control.

筆者ぼろんこが1970年代にNHKの総合テレビで刑事コロンボに出会った頃は小学生でした。それから30数年後の2009年にNHK BSで再会した時、その素晴らしさにあらためて感銘し、自分なりの解釈をブログに書きためるようになったのでした。