2009年10月06日

刑事コロンボ 32話「忘れられたスター」

刑事コロンボ「忘れられたスター」
Forgotten Lady / 1975[第5シーズン 32話]

泣けるコロンボ作品…


「忘れられたスター」は私が最も好きな刑事コロンボ作品のひとつ。解決編では、この作品ならではの結末を迎えます。それはコロンボ作品中、最も涙を誘うものです。

ジャネット・リー


往年の大女優グレース・ウィラー(ジャネット・リー)は輝きを放っていました。14話「偶像のレクイエム」のアン・バクスターの大女優も悪くはないのですが、私の好みも加味すると「格別」の感があります。

また40話「殺しの序曲」に登場するウエイトレスは「ジェイミー・リー・カーティス」で、ジャネット・リーの娘です。

コロンボシリーズで最も重要な「犯人ではない登場人物」


かつての名優ネッド・ダイヤモンド役ジョン・ペインの存在も際立っています。スターでありながらジェントルマンでもありましたね。


執事レイモンドはザイアス博士


ウィリス(グレース・ウィラー)家の執事・レイモンド役は猿の惑星の「ザイアス博士」でもお馴染みの俳優。「モーリス・エヴァンス(エバンス)」同名のNBA選手がいることから、ネット検索が困難です。


執事レイモンドは、その可愛い風貌も含めとても素敵でした。奥様のアルマさんはとても若かったですね。これらの登場人物が、すべて良い味を出してると思います。コロンボ作品で名作と呼べるものには、このように脇役が作品の魅力を高めているものが多い気がします。

忘れられたスターの魅力


原題と邦題はほぼ同意味で、この作品を端的に表すグッドなネーミングです。「ファンは自分を決して忘れていない」女優復帰に並々ならぬ意欲をみせる主人公:グレースですが、当人は記憶を失う病気で、余命幾ばく。それを知っている夫ヘンリーは復帰に反対するが、愛情とは理解されず妻に殺されてしまう…。グレースを心から愛する元パートナーの俳優ネッドは、身代わりとなり逮捕される。

憎しみを感じさせない、悲しい殺人事件


もはやコロンボの名前すら覚えられないグレース。財産をはたいてまで復帰を目指しますが、プロデュースを買って出たネッドでさえ、復帰の難しさを感じていたでしょう。生きているうちに…と世界旅行を提案する夫の優しさも虚しい。幸せとは何であるか?を考えさせられました。

覚えていないという主題


グレースは記憶を失う病気で、シーン各所にその伏線が見えています。ブログゲストさんのコメントにもありますが、何を覚えていて…何を忘れてしまったのか…その焦点もこの作品に不思議な魅力を加味しています。

コロンボはネッドに何を託したか


コロンボ警部がネッド・ダイヤモンドに事件の全てを説明するのは、意味深いです。グレースが執拗な捜査にいらだちつつも、好意的な態度に変わっていくことから、「通常の殺人犯人とは違う」ことには気付いていたでしょう。そのようなグレースに対し「自白に導く」というコロンボ特有の手法が不可能となりました。ネッドの前でグレースを追いつめることで、身代わり犯人を持ちかけたとも想像できます。

人気ランキングで常に上位を獲得


コロンボ作品の「人気ランキング」では、確実に「5位以内の座を獲得する作品」だと断言しておきましょう。(笑)1位は、やはり「別れのワイン」の指定席。32話ということで、決して傑作ぞろいの初期作品‥ではないのですが、まだこのような斬新なストーリーがあったのだと、びっくりします。

これもひとつのスタイル


私は刑事コロンボの王道的なスタイルとして「成功者の転落劇」にこだわっています。もちろん、そこに刑事コロンボの醍醐味が存在するのですが、この「忘れられたスター」のような「決して悪人とは思えない」犯人によるストーリーも感慨深いですね。19話「別れのワイン」、41話「死者のメッセージ」などに同じ雰囲気を感じます。

バーク刑事Bではない!


後の作品、41話「死者のメッセージ」、43話「秒読みの殺人」、47話「狂ったシナリオ」に登場するバーク刑事Bの「ジェローム・グアルディノ」ですが、今回はまだバークではなくハリス刑事としてちょい役で出演しています。


ランズバーグ先生とコリアー先生は同僚だ!


31話「5時30分の目撃者」の精神科医コリアー先生と、32話「忘れられたスター」の外科医ランズバーグ先生の病院は同じでした!詳しくは「廊下に色ラインが描いてある病院」をご覧ください。

アンダーソン検死官


「アンダーソン検死官」「ハーヴェイ・ゴールド」。33話「ハッサン・サラーの反逆」でも検死官、27話「逆転の構図」ではカメラ店のハリー・ルイスを演じています。日本語吹き替えは「ウイルソン刑事」「ドカベンで徳川監督役」の野本礼三さん。


監督:ハーヴェイ・ハート
脚本:ウィリアム・ドリスキル

グレース・ウィラー:ジャネット・リー
ネッド・ダイヤモンド:ジョン・ペイン
執事レイモンド:モーリス・エヴァンス
アンダーソン検死官ハーヴェイ・ゴールド(野本礼三)
 
加筆:2015年12月5日
 
 
posted by ぼろんこ at 20:08 | Comment(42) | 後期作品(32話〜45話)
この記事へのコメント
いつもコロンボを観るたび、こちらを拝見させていただいてます。

「忘れられたスター」を凄く久しぶりにまた見たのですが、今回はジャネット・リーがいつ夫を殺害した事を忘れてしまったのか?に注目して観てました。
私の私見ですが、殺害した直後に、自分の寝室で自分の顔を鏡で見た瞬間だと感じました。
その時の演技とカメラワークにちょっと鳥肌が立ちました。

そう考えてその後のシーンを見てると、殺した自覚のない犯人と捜査をしようとするコロンボとネッドの関係がなんとも切なくなりました。

初めて観る人には、2回観る事をおすすめしますね。
失礼します
Posted by fujon at 2012年12月27日 17:36
fujonさま、いつもここを見てくださっているそうで、ほんとうにありがとうございます。

グレース・ウィラーが殺人を犯したことを、いつ忘れたか?は、私も考えたことがあります!翌朝のダイヤモンド氏との会話のシーンでは、もう忘れている雰囲気でした。

確かに、鏡を見つめて目を輝かせている表情は意味深で、執事の様子がおかしいことに気付いた時も、演技ではなく「何か良からぬことが起こった…」不安気な顔になります。

これはグレースが「ご主人を殺したこと」を既に忘れている表現と感じますね。一度目に見た時は、ご主人が居なくなったので、復帰が実現する…とも受け取れましたが、それならもう少し「後ろめたさ」が出ていた方が自然ですし。
Posted by ぼろんこ at 2012年12月27日 22:11
返信ありがとうございます。
いつ忘れたか?についてはいろんな解釈が出来そうですよね。
しかしその解釈によって、その後のシーンの演技に対する考えというか思いのようなものが変わってくる気がします。
映像作品の醍醐味の一つですよね。

しかし年末のAXNコロンボ一挙放送は悩ましいです。
ウチのレコーダーでは、あんなに長時間録画できないので、、、

失礼しました。
Posted by fujon at 2012年12月28日 00:03
fujon様、返信ありがとうございます。「年末のAXNコロンボ一挙放送」ですよね〜。私も自宅を留守にすることもあり、選んで録画するようになるかな〜と思います。
Posted by ぼろんこ at 2012年12月28日 11:21
ボロンコ様
初めて書き込みいたします。今年でちょうど35歳でコロンボを幼少時に見ておりました。子供のころから推理小説が好きでして。DVD借りてきて最近コロンボばかり見ております。グレースウィラーがダンスの稽古がうまくいかず感情をむき出しにするところや、人の名前を覚えられないところ・・・・老齢の家族を持つ身として、一人目頭が熱くなりました。殺人以上に時は残酷なものですね。それはそうとボロンコ様の緻密な記述非常に興味深いです。まだ全部の作品は見ておりませんので、今後の参考にいたします。
Posted by tono at 2013年05月29日 22:41
tonoさん、コメントありがとうございます。グレースは女優復帰に向けて、キラキラ輝いています。それが残酷なシチュエーションを一層印象づけています。
Posted by ぼろんこ at 2013年05月30日 12:04
ピーターフォークの晩年の状況を知ると
なんかすごくやるせない気分になる話に
なってしまいましたねえ…。
「ファンは自分を決して忘れていない」
まさにその通りだと思います…
Posted by 通りすがり at 2013年06月25日 10:54
通りすがりさんコメントありがとうございます。本当にその通りですね。ピーター・フォーク氏も、コロンボ警部も、ファンの心の中で生き続けていると思います。
Posted by ぼろんこ at 2013年07月02日 11:53
初めまして。
かって映画専門誌『キネマ旬報』に石上三登志さんが、TVムービー評という連載を持たれていました。たびたび刑事コロンボを取り上げられましたが、その中でこの作品については別格の評価をされていたことを思い出します。
石上三登志さんは、往年のミュージカルスター、グレース・ウイラーを見守る、夫、刑事、そして相方の優しい3人の男の物語と評されたのです。※ずっと後に出たコロンボの研究ムック本でも同様の事が書かれていたそうですが、間違いなく最初にそう書かれたのは石上さんです。
冒頭の映画「ザッツエンターテイメント」らしいの映画上映会から、最後の自身の映画まで、TVの枠を超えた芸術ともいえる作品と思います。
Posted by クマのたっくん at 2013年07月05日 21:31
はじめまして。いつも楽しく拝読させて頂いております。現在NHKBSで放映中の新シリーズは、始めて観る作品が多いので、いつもぼろんこさんのご意見を参考にさせて頂いています。

先日、たまたまポール・ニューマン主演の映画(タイトルは忘れてしまいました)をTVで観ましたら、若い時のジャネット・リーがポール・ニューマンの奥さん役で出演していました。ちょうど「忘れられたスター」を見直したあとだったので、びっくりしました〜。とっても綺麗でした。
私はこの「忘れられたスター」が大好きで、もう何度となく見直しているのですが、特にウィラー邸の間取りやインテリアなどは、本当に素敵だな〜と見るたびにため息が出てしまいます。
Posted by コロンボ&ぼろんこさんファン at 2013年07月08日 17:36
「コロンボ&ぼろんこさんファン」さん、コメントありがとうございます。「ウィラー邸」の美しさは、私も同感です。特に壁紙がお洒落だな〜と感心いたします。主人公グレースの背景に、よく壁紙が映りますが、お部屋ごとに違っていて、彼女の美しさを引き立てています。
Posted by ぼろんこ at 2013年07月22日 13:53
クマのたっくんさん、コメントありがとうございます。

やはり、この作品は素晴らしいですね〜。近年になって再放送を見たとき、また涙がこぼれました。

私が初めて見た時は…おそらく小学生。当時のぼろんこ少年は、この作品を見て、コロンボの虜(とりこ)になったのです。
Posted by ぼろんこ at 2013年07月22日 14:03
唯一の泣けるコロンボ
同感です

個人的に全エピソード中で一位を選べと言われれば間違いなくこれですが、コロンボを初めて見る方にはオススメできないですね
“二枚のドガの絵”や“逆転の構図”が直球だとすれば“忘れられたスター”はかなり曲りの大きい変化球なので初打席の人に打てというのは酷なような気がします
Posted by エース at 2014年05月20日 08:03
エースさん、わたしも同じ意見です。最初に見て欲しい作品の上位は「二枚のドガの絵」「逆転の構図」「指輪の爪あと」「権力の墓穴」とかですね〜。
Posted by ぼろんこ at 2014年05月22日 13:40

いや〜〜切ない物語でしたな・・(泣)

女優にカムバックする傍ら、病気もちだったとは。。
全てを知っていた夫は、妻に勘違いされ殺されてしまい、若い頃から好きだったレイモンドは、身代わりになり、彼女の最期まで、幸せな女優のままで
生涯を終わらせようとする・・
泣けるなぁ・・ ( ゚,_ゝ゚) 


僕が印象的だったのは、グレースの気品とその強さ。夫を殺したのは置いておいて
「これが人生ですの、逃げる事は許されませんわ」
「わたし、強く生きる事に決めたんですの」

と、生に対する並々ならぬ気持ち=強さが際立ったセリフです。
なんというか、深さを感じました^^


さて、バーグ刑事に替え玉をお願いするコロンボ(笑)それはさすがにバレるだろうって思うんですが、わざわざ休みの刑事を呼び出し、買収するとは・・(爆笑)
警察官ですよね?笑ァ '`,、'`,、('∀`) '`,、'`,、

わんちゃんとのやり取りも、面白いですね^^
アイスが顔に付いているのを、
「顔に付いているよ、自分で取りなよ〜さすがにそこまではしないよ〜〜」
っていうのが、笑えました(笑)


今回は、とてもシリアスで切ない内容でしたが、
とても奥深く、女性の強さ・気品・人生の深さ
を学べたとても、興味深い作品です。
ジャネットリーだけでなく、他の俳優陣のレベルの高さに、脱帽です!!

ちなみに、メイドの若奥さん、シャラポアが年をとった感じで、なかなか魅力的でしたね(笑)
ある意味、お金よりも大切なものを、執事夫妻から学んだ様な気もします。
Posted by とっしーー at 2014年05月30日 20:22
とっしーーさん…「シャラポアが年」は爆笑です!
Posted by ぼろんこ at 2014年06月05日 12:16

爆笑ありがとうございます(笑(笑)

削除の件、お手数かけました^^


Posted by とっしーー at 2014年06月06日 16:16
さっき衛星でやってたので久しぶりに見ました。
射撃訓練の替え玉依頼は、殺人の偽証を仄めかす暗喩だったのかと今更ながら気づいた次第です。
Posted by 名無し at 2014年08月12日 17:21
初めてコメントさせていただきます。

BSで再放映されているのを、
6月位まで知らず……今更はまってみています。
「ロンドンの傘」の小池さんの声の渇れ具合について
検索をし、ぼろんこさんのHPを見つけました。
深い観察力と、幅広い知識、脱帽です!
素敵なHPですね。

そして、私も一票、どうしても「忘れられたスター」を
再放映を待って、観てから入れたいと思い、
満を持して(笑)のコメントです。

「忘れられたスター」こんなに切なく観る日が来るとは……
ピーターの晩年とも重ね合わせ、
以前よりもいっそう泣けました。

そして、確かにコロンボ作品としては
かなり異質ではありますが、やはり、深い、
素晴らしい作品だと改めて感じました。

私はヒッチコキアンなので、ジャネットの登場は
嬉しいものでした。
変わらぬ美しさと、演技力に感動しました。

皆様書いていらっしゃいますが、
忘却の演技は素晴らしい。「忘れている」
ときの顔は、子供のような、無邪気さにあふれていますよね。

ピーターのタキシードも萌えポイントでした。
いま、コロンボが好きすぎて、待ち受けまでコロンボです(笑)

これからもまたお邪魔します。
ありがとうございました。
Posted by 美々 at 2014年08月13日 03:35
やっと見れました。

ずっと見たいなと思っていた作品であり、期待を裏切らない、涙涙の名作でした。

いつもは、犯人を(しつこく)追い詰めるコロンボが、今回は、同僚達から、(しつこく)射撃訓練を怠っていることを、追い詰められるシーンが、いつもの逆パターンのようで楽しかったですし、

グレース役のジャネット・リーの実年齢・・・きっと70歳近いのかな?と思っていたら・・・
なんと、48歳なんですね。

確かに、ご主人を殺しに行くシーンで、上着を脱いだときの、黒いぴったりした洋服姿、見事なプロポーションでした・・

グレースが見ていた、ミュージカルですが、あれはジャネット出演の実際にある映画ですよね?
あの映画、私も見てみたいな・・と思いました。

ご主人が『愛情だけで結婚してくれたとは思っていないが・・』
や、ダイヤモンドがグレースに、君が好きだったんだという言葉に『いまは?』と聞き直すグレースに、ダイヤモンドの返事が少し間があくシーンなどは、
男女間の何とも言えないものを感じました。

しかし、ラストのダイヤモンドのとった行動は、グレースへの愛が本当に続いていることを証明してくれたようで、女としては嬉しいシーンでした。。

最後に、コロンボのタキシード姿には私も(持ってたんだ)と驚きました。笑
し、グレースを見たとき『うちのかみさんが大ファンで・・・』には、毎回毎回、ほんとかよとつっこみました。笑

うちの70代の母も、昔、コロンボをよく見ていたとのことで、心に残っている作品は、『別れのワイン』『逆転の構図』『魔術師の幻想』なんだそうです。
特に別れのワインは熱く語っていました。。
Posted by フリーディア at 2014年08月14日 10:47
 私は、タバコは吸いませんが、いつもコロンボの吸っている、葉巻の灰の行方が気になります。
 今回は、執事の方が灰皿を用意してくれていましたが、それまでに部屋の中に灰を撒き散らしていたのでは。
 葉巻に慣れた人なら,灰は調節できるんでしょうか。
 葉巻を口にしての会話は、言葉がはっきりしないと思いますが。
 まあ、見せるドラマなので、形としてはこんな方が面白いのかな。
 
Posted by 鳴門舟 at 2014年08月16日 16:56
名無しさん「射撃訓練の替え玉依頼は、殺人の偽証を仄めかす暗喩」ですか!深読みですね〜面白いです!
Posted by ぼろんこ at 2014年08月26日 15:00
美々さん、初めまして!
「ヒッチコキアン」さん、なのですね!コロンボの場合は「刑事コロンビアン」と、呼ばれますかね?(笑)
グレースの病気はストーリー展開と共に、進行している様子が描かれていて、それも悲しみを誘いますね。
「忘れられたスター」に1票くわえておきます。
Posted by ぼろんこ at 2014年08月26日 15:08
フリーディアさん、コメントありがとうございます。「しつこい射撃訓練の要請」も、確かに!面白い比喩ですもんね。

このお話、登場人物がみな美しいと思います。心も含めて。もちろん、カムバックのためなら殺しても構わない…という動機については、決して美しいものではありませんが…。全体的に美しい雰囲気が漂っていますね。

『忘れられたスター』『別れのワイン』『逆転の構図』『魔術師の幻想』にそれぞれ票をくわえておきますね〜。
Posted by ぼろんこ at 2014年08月26日 15:20
鳴門舟さん、コメントありがとうございます。灰については、「二つの顔」でもクリフォード家のお手伝いさん「ペック夫人」から激怒されてました。
Posted by ぼろんこ at 2014年08月26日 15:22
そういえば「逆転の構図」のガレスコの家で、灰の捨て場に困って、コートのポケットに入れていました。
Posted by ぼろんこ at 2014年08月28日 15:33
殺されたヘンリーは何故グレースの病気の事を隠していたのかが疑問ですね。
まあ打ち明けられた事自体、忘れてしまう事を考慮してもせめてネッドに事情を話すべきだったのでは。
Posted by なお at 2014年12月01日 20:28
なおさん、コメントありがとうございます。少し歳の離れた夫婦のようですね。お互いにそれぞれの世界を持っているような感じもします。
Posted by ぼろんこ at 2014年12月14日 14:45
ミステリーとしては違い、むしろエンターテイメント向きな作品ですが間違いなく名作でしょう。

「グレースはいつ夫を射殺したことを忘れたか?」
これは前述にあったように、コロンボ登場前にもう忘れていたように見えます。
殺した夫の部屋のドアを激しく叩く音と執事の大声を聞いた時のグレースは、明らかに
「何事だ?」という表情です。

殺人の記憶があるなら、「よし、今だ」という表情ぐらい浮かべるでしょうにそれがなかった。
多分ジャネット・リーも意識的に演じたんじゃないでしょうか?

あと、グレースがコロンボの捜査に苛立つシーンや、「夫は尊敬できる人物だった」とコロンボに語るシーンは、
ここではもう夫を殺害したことは完全に忘れているという伏線が張られていると思います。
「自殺で処理すればいいのに!」
ではなく、
「あんな立派な人物だった夫が殺されていただなんて、夫は人に恨まれるような人間じゃない!」
というものに思えます。

あくまで個人的見解ですが、何回か見直すとこう解釈できました。

秀逸な作品ですね。
Posted by タップおばさん at 2015年08月12日 19:04
この作品は確かに、コロンボ的な解決こそ見られませんが、とても深い展開になっています。おっしゃる通り「覚えていない」という主題に沿った見事なストーリーですね。
Posted by ぼろんこ at 2015年10月02日 22:11
1票追加します!
Posted by ぼろんこ at 2015年10月02日 22:11
他にも面白い作品やよく出来た作品は数あれど、自分はこの作品が全シリーズ中一番好きです。なんてったって被害者も犯人も皆美しい。切なく悲しく美しい人情話ですね。

不可解な対応が多かったグレースの謎も、コロンボが解き明かしてくれて。最初のとこなんか(自分で実行しておいて鎮静剤が必要なほどショックを受けられるのかよ大女優凄すぎだろ…)とか思ってました。

犬を飼ってた身としてアイスを食べさせるのはビックリしました。が、10年くらい前に晩御飯のステーキの最後の一切れを落としてダックスに食べられ半泣きになったのを思い出し、「ワンちゃんってこういうの食い付きいいよなぁ」としみじみもしてたり(ノ´∀`*)

ダイヤモンドさんの男気には憧れますね。今作で一番好きなキャラです。あんな大人になりたい…

射撃訓練のくだりはなんでしょうね。あれが無駄だと思う人も多いわけですが…お得意の心理戦がグレース相手に上手くいかない上での追い討ちかな?もうわずかの期限ってグレースを示唆してるのかな?カエダーマは最後の身代わりに重ねてるのか?…なんて考えすぎでしょうか。

しかしコロンボ、タキシードが似合わない(笑)カッコいいからいいけど(;´_ゝ`)まああの正装だからこそ異例のラストが品良く締まった仕上がりになってるのかも。

ジャネット・リーあってこその今作ですが、彼女が巧妙に伏線を張り続け、ピーターフォークが見事に回収し、ジョン・ペインが綺麗に締める。役者が皆素晴らしいです。邦題もイイ。

好きな場面はまだあるけどもこれ以上話すのもアレなので笑
ともかく1票入れさせていただきます!
Posted by フレド at 2015年10月22日 20:36
失礼しました…笑
俺が入れるわけじゃないんですね(/´△`\)
すみません、1票お願い致します
Posted by フレド at 2015年10月22日 20:48
 1本を選べと言われればこの作品ですね。
ネッド・ダイヤモンドが「これぞ男」というところを見せてくれるのがたまりません。

 射撃訓練の下りですが、75分が100分に尺が伸びたのを埋めるための追加だそうです。コロンボシリーズは脚本を練りこむので逆に尺が余るということがあるということがすごいことだと思います




 
Posted by バーディ at 2015年10月24日 00:26
コロンボにとって、犯人を逮捕するという意義をどこへ見出すだろうか?。
罪を犯した犯人は、当然裁きを受けなければならない。
罪は憎む。しかし人の本質、豊かな知性やユーモアは憎まない。
犯行の動機には同情も示す。だが、犯行自体は絶対に許さない。
同情が過ぎて、自ら裁判官になって逃がしたケースすらあったが、
それは警察による犯罪のもみ消しで問題もある。
このエピソードもネッドのウソ自供を知っていて受け容れるという
まあ、やってはイケナイ事をやってしまう。
コロンボとは、理詰め以上に感情の多い人と言えるだろう。
Posted by トレモニ at 2015年11月08日 20:56
先日、CS放送の連続放送で、この回を見ました。
小生、本職は泌尿器科医なんですが、ランズバーグ医師が、ヘンリーさんの前立腺の病気の治療について、手術室の前でコロンボに説明する内容は、医学的には完全に間違っていました。
「前立腺の除去手術より、抗生物質を選択、云々」のコメントは、ナンセンスに近いです。
医学的監修がなされなかったのかな、と残念に思いました。
Posted by 遅れてきたコロンボファン at 2015年11月14日 04:17
ぼろんこさん、初めまして。お邪魔いたします。
皆さんの感想もとても楽しいです。
これは私も大好きな作品で何度も見ています。
コロンボの楽しみのひとつが「豪華な家」を見ること。今回もまるでお城のようですね。でもグレースの部屋はかなり少女趣味。スターであったころの時間のまま止まっているようです。
私はアメリカ人好みの大きくて、目いっぱいお金かけましたという家より、コロンボの自宅のようなこじんまりした温かい雰囲気の家が好きなんですが、どの回か忘れてしまいました。あれはコロンボの家じゃなかったかも?
「忘れる」に敏感な年齢なもので・・・ごめんなさい。
Posted by バジル at 2015年11月15日 22:32
フレドさん>10月23日に1票追加しています。ご報告がおそくなりました。
 
バーディさん>1票追加いたします。
 
トレモニさん>そうですね〜人情ドラマ的な部分もありますね、私はそれも好きです。
 
遅れてきたコロンボファンさん>「前立腺の病気」…そうなんですね!専門知識がある方だと…気づいてしまいますね。
 
バジルさん>コロンボの自宅…は、でっちあげなら「権力の墓穴」と「かみさんよ、安らかに」に登場します。本当の家は見たことない気がします。
 


Posted by ぼろんこ at 2015年11月16日 20:27
グレースはヘンリーの部屋へ入る時、手に持った拳銃を先にした。
ヘンリーが寝入っているのを確信してだが、強い殺意を思わせる行為だ。
ヘンリーも言っているように、グレースは愛情だけで結婚したのではない。
愛情以上に財産目当てだ。不幸な結婚生活でもなかった。
むしろ、我がまま気ままな生活であり、ヘンリーもそれを許していた。
それが、グレースの思い上がりを助長してしまう。
増長した我利我欲の殺害動機に同情の余地はない。よって評価は低い。
同情の有無で評価の高低を決めるのは、コロンボの人生観との間で
交流できるかどうかにかかっているから。
刑事コロンボのだいご味とは、犯人とコロンボの魂の奥底で交わされる
目に見えない交流にある。我利我欲で固まり、更に病気とあっては無理だ。

今回はペンのみならず、バッジや手帳まで忘れて、あまつさえ、
借りたペンと手帳を持ち帰ろうとして迷惑顔の執事から注意されている。
手帳に自分が書いた部分をビリビリ破いて執事に返した。
いったん帰ろうとしたのに、思い留まってまた2階へ上がったとき、
執事の驚きとあきれが同時に表情に出ていた。

カットされた部分で大事なシーンがけっこうありますね。
当初現場での事情聴取などが大幅カットになっています。
コロンボがヘンリーの部屋履きの裏側に泥がついてないのを
確認するシーンや銃の持ち込み確認はカットすべきではない。

コロンボが、別れのワインに続いて、また自分を音痴だと言った。

コロンボは、グレースへの最初の質問攻めでウソを見抜いている。
どんな質問に対しても冷静にヘンリーが自殺であることを肯定する
模範回答に終始している。どんな質問に対しても「分からない」とは
言わず、無理してでも回答する。これはウソをつく犯人の特徴である。

中盤での会話。
グレース:主人はね、人並みすぐれて立派な人でした。
     医者としても尊敬され愛されていました。
     いったい誰が、あの人を殺そうとするでしょうか!?
コロンボ:・・・・・・・・・・・・・・・[驚]。
この時のコロンボの驚いた表情は、今までに見た事のないものだった。
これには、心底驚いていたのだ。
犯人の問いかけに対して、何も答えを返せないでいることなど今まで無かった。
グレースの言葉には、それだけ真実がこもっていたからだ。
コロンボは、自分のウソ発見機の修正を加えなければ?、と思ったか。
いつもだったら、もう一つとか・・・、何かしら口上を残して行くのだが、
「・・・」のまま、驚きの表情を隠しもせずに出て行った。
この時を境として、コロンボの捜査は加速していく。
細かい矛盾を一つ一つ掘り起こす段階から、殺害動機や更に深い本質へと
切り込んでいくことになる。

グレースがコロンボ夫妻を招待するときには、殺人犯という内面は全て
消え失せ、ファンの対してサービス精神旺盛なスターの魂のみになっていた。

コロンボ:あんたの自白なんか、スグにひっくり返されますよ。
ネッド :頑張ってみせる、二月間は。
コロンボ:そう〜[驚]・・・、それがいいね。
また、コロンボが驚いた。
さすがに、この場面は観ていて涙があふれた。

いつもの刑事コロンボは、コロンボ自身の言動に感動するものだが、
今回においては、グレースとネッドの言動にコロンボが驚異し感動する。
ネッドの真実にコロンボが折れた。
Posted by トレモニ at 2015年11月29日 22:22
BSでのあらすじ紹介で、核心であるあの事実が思いっきりネタバレされているのを見てしまったので、ミステリーとしては本来の半分も楽しむことができなかった悔しい思い出のあるエピソードです。
しかし、それでも「美しい刑事コロンボ」として屈指の出来であることは確かです。謎解きだけがコロンボではない。本作はグレース・ウィラーという女性を描いた上質なドラマなのであってミステリーの要素などは添え物に過ぎないのでしょう。悲しすぎるラストは他のエピソードにはない後味を残します。
と言いつつ、やっぱり個人的には「断たれた音」や「逆転の構図」のようなエピソードが好きなんですよね〜。味わい深いドラマを堪能できないあたり、ぼくはやっぱり子供だなあとつくづく思います。
Posted by すぴっつ at 2015年12月02日 00:00
ジャネット・リーの晩年を知る貴重な出演作でした。コロンボはファーストオンエアから何度も見ています。コロンボというより、ゲストスターを見るのが楽しみですね。

こういうドラマを作ることが出来た時代。インターナットも、PCも、スマホも・・・なにもなく、アメリカが輝いて見えた時代。そんな時代の貴重な映像作品は、永遠に色褪せないでしょう。

数々のゲストスターも、主演を演じきったピーター・フォークもみんな鬼籍に入ってしまいました。
Posted by NAO at 2016年01月09日 13:32
こんにちは。

ジャネット・リーは役柄上ではコロンボより相当年上に設定されていたのですね?!
実は同い年位でしたでしょうに。。

演じきった彼女の女優魂に情熱を感じました。

でも役の中での彼女は、かつての栄光・美しさに執着しすぎてしまったのだろうと思えてなりません。
観客の拍手喝采、自分を照らすスポットライト・・・夢のような出来事として、彼女は過去に葬り去ることは出来なかった。

今の自己を認め、愛し、幸福を希求できなかった。。。
それが夫殺しを思いついた引き金となった。

でも。
彼女の正常な判断力を奪い去る進行が、彼女自身の内部でなされていた。
その結末に愕然としました、初めて見た時は。。。
単に忘れてしまう、だけではなくて。
人として、社会人常識というものを欠落させて生きる結末の一つを、彼女は示してくれました。

活き活きとした瞳で。

ラストシーンのダイヤモンド氏の惚れ惚れするような粋な姿と、コロンボの深いため息混じりの頷きと、対をなすような彼女のキラキラした瞳とが、すべてが必要不可欠な要素だったと思えてならないのです。。。。この物語の味わいを深めるのには・・・。

最後まで彼女は昔の自己に浸りきり、美しく華やかな大スターとして天国心地で生きる。
深い夫の愛情に気づけなかったからには、死して後、それなりの反省はするのだろうが、何といっても、今の心=「念」をいつも目の前の過去の華やぎに置く限り、幸福の極みに居られる彼女は、哀れなどではない。

私達もやたらストレスにやられるばかりではなく、彼女から何かを学ぶべきだろう。

という思いも沸きました。

それにしても・・・本物の紳士達に命がけで守られる彼女は、きっと、とても一生懸命に打ち込む人で、大輪の花の魅力を醸し出す、ホンモノのオンナだったのでしょうね。
Posted by ひびき at 2016年02月10日 22:00
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筆者ぼろんこが1970年代にNHKの総合テレビで刑事コロンボに出会った頃は小学生でした。それから30数年後の2009年にNHK BSで再会した時、その素晴らしさにあらためて感銘し、自分なりの解釈をブログに書きためるようになったのでした。