2009年10月06日

刑事コロンボ 32話「忘れられたスター」

刑事コロンボ「忘れられたスター」
Forgotten Lady / 1975[第5シーズン 32話]

泣けるコロンボ作品…


「忘れられたスター」は私が最も好きな刑事コロンボ作品のひとつ。解決編では、この作品ならではの結末を迎えます。それはコロンボ作品中、最も涙を誘うものです。

ジャネット・リー


往年の大女優グレース・ウィラー(ジャネット・リー)は輝きを放っていました。14話「偶像のレクイエム」のアン・バクスターの大女優も悪くはないのですが、私の好みも加味すると「格別」の感があります。

また40話「殺しの序曲」に登場するウエイトレスは「ジェイミー・リー・カーティス」で、ジャネット・リーの娘です。

コロンボシリーズで最も重要な「犯人ではない登場人物」


かつての名優ネッド・ダイヤモンド役ジョン・ペインの存在も際立っています。スターでありながらジェントルマンでもありましたね。


執事レイモンドはザイアス博士


ウィリス(グレース・ウィラー)家の執事・レイモンド役は猿の惑星の「ザイアス博士」でもお馴染みの俳優。「モーリス・エヴァンス(エバンス)」同名のNBA選手がいることから、ネット検索が困難です。


執事レイモンドは、その可愛い風貌も含めとても素敵でした。奥様のアルマさんはとても若かったですね。これらの登場人物が、すべて良い味を出してると思います。コロンボ作品で名作と呼べるものには、このように脇役が作品の魅力を高めているものが多い気がします。

忘れられたスターの魅力


原題と邦題はほぼ同意味で、この作品を端的に表すグッドなネーミングです。「ファンは自分を決して忘れていない」女優復帰に並々ならぬ意欲をみせる主人公:グレースですが、当人は記憶を失う病気で、余命幾ばく。それを知っている夫ヘンリーは復帰に反対するが、愛情とは理解されず妻に殺されてしまう…。グレースを心から愛する元パートナーの俳優ネッドは、身代わりとなり逮捕される。

憎しみを感じさせない、悲しい殺人事件


もはやコロンボの名前すら覚えられないグレース。財産をはたいてまで復帰を目指しますが、プロデュースを買って出たネッドでさえ、復帰の難しさを感じていたでしょう。生きているうちに…と世界旅行を提案する夫の優しさも虚しい。幸せとは何であるか?を考えさせられました。

覚えていないという主題


グレースは記憶を失う病気で、シーン各所にその伏線が見えています。ブログゲストさんのコメントにもありますが、何を覚えていて…何を忘れてしまったのか…その焦点もこの作品に不思議な魅力を加味しています。

コロンボはネッドに何を託したか


コロンボ警部がネッド・ダイヤモンドに事件の全てを説明するのは、意味深いです。グレースが執拗な捜査にいらだちつつも、好意的な態度に変わっていくことから、「通常の殺人犯人とは違う」ことには気付いていたでしょう。そのようなグレースに対し「自白に導く」というコロンボ特有の手法が不可能となりました。ネッドの前でグレースを追いつめることで、身代わり犯人を持ちかけたとも想像できます。

人気ランキングで常に上位を獲得


コロンボ作品の「人気ランキング」では、確実に「5位以内の座を獲得する作品」だと断言しておきましょう。(笑)1位は、やはり「別れのワイン」の指定席。32話ということで、決して傑作ぞろいの初期作品‥ではないのですが、まだこのような斬新なストーリーがあったのだと、びっくりします。

これもひとつのスタイル


私は刑事コロンボの王道的なスタイルとして「成功者の転落劇」にこだわっています。もちろん、そこに刑事コロンボの醍醐味が存在するのですが、この「忘れられたスター」のような「決して悪人とは思えない」犯人によるストーリーも感慨深いですね。19話「別れのワイン」、41話「死者のメッセージ」などに同じ雰囲気を感じます。

バーク刑事Bではない!


後の作品、41話「死者のメッセージ」、43話「秒読みの殺人」、47話「狂ったシナリオ」に登場するバーク刑事Bの「ジェローム・グアルディノ」ですが、今回はまだバークではなくハリス刑事としてちょい役で出演しています。


ランズバーグ先生とコリアー先生は同僚だ!


31話「5時30分の目撃者」の精神科医コリアー先生と、32話「忘れられたスター」の外科医ランズバーグ先生の病院は同じでした!詳しくは「廊下に色ラインが描いてある病院」をご覧ください。

アンダーソン検死官


「アンダーソン検死官」「ハーヴェイ・ゴールド」。33話「ハッサン・サラーの反逆」でも検死官、27話「逆転の構図」ではカメラ店のハリー・ルイスを演じています。日本語吹き替えは「ウイルソン刑事」「ドカベンで徳川監督役」の野本礼三さん。


監督:ハーヴェイ・ハート
脚本:ウィリアム・ドリスキル

グレース・ウィラー:ジャネット・リー
ネッド・ダイヤモンド:ジョン・ペイン
執事レイモンド:モーリス・エヴァンス
アンダーソン検死官ハーヴェイ・ゴールド(野本礼三)
 
加筆:2015年12月5日
 
 
posted by ぼろんこ at 20:08 | Comment(52) | 後期作品(32話〜45話)

2009年10月05日

刑事コロンボ 33話「ハッサン・サラーの反逆」

刑事コロンボ「ハッサン・サラーの反逆」
A Case of Immunity / 1975[第5シーズン 33話]

とある中近東の国のLA総領事館の総領事代理である「ハッサン・サラー」が権力争いの邪魔者である警備隊長ユセフ・アラファを殺害。その後、部下であり共犯者のハビブ青年も口封じのために殺害。

大きなスケールで描かれる刑事ドラマ・コロンボは、作品としての完成度が低く感じられるものが多いが、この「ハッサン・サラーの反逆」は好きな作品です。邦題が少々残念ですが、印象に残るタイトルと言えます。直訳は「免責の事例」で、最後に外交官特権を放棄するというエンディングをさしています。

ヘクター・エリゾンド


ハッサン・サラー役:ヘクター・エリゾンド(プエルトリコ系らしい)は凛とし存在感たっぷり。歴代の刑事コロンボの犯人でも、特に記憶に残る俳優です。


かなりの悪人…ハッサン・サラーという男


背景の説明で、犯人のハッサン・サラーとライバルのユセフ警備隊長との関係が見えづらい(過激派と通じていたらしいが)ことが少し残念な気がしますが、このハッサン・サラーなる総領事代理、お国のためを第一と考えているように映りますが、実はそれよりも権力を掌握したい野望の方が遥かに上回る悪人と言えます。

ユーモラスなシーン


今回は事件が発覚する前にコロンボ警部が登場。偉い人の集まる重要会議に「コリム部長との人違い」で呼ばれたという面白い設定。サラーの服の裾を踏んで、いきなり「間抜けさ」を披露しているところが絶妙でした。その後もう一回踏んづけてます。

ロッホマン・ハビブはサル・ミネオ


共犯の青年ハビブを演じたのはサル・ミネオ。理由なき反抗を皮切りに、数々の名作に出演した俳優。刑事コロンボでハビブを演じた後、暴漢に襲われ37歳でこの世を去りました。


オーガスト部長が本領発揮!


会議の席でコロンボ警部に「さっさと失せろ」と冷たくあたるのはオーガスト部長(ビル・ザッカート)。27話「逆転の構図」にも登場していますが、あまり重要な場面ではなかったようで、TV版ではカットされました。


優しい女性秘書


赤い洋服が印象に残る優しい女性秘書クセーニャを演じるのはブリオニ・ファレルさん。捜査の過程で被害者の警備隊長ユセフと名前で呼ぶが、深意は分らない。(ノベライズ版では恋人の設定らしい)

 
2015年に放送のBS-TBS版のクレジットには女優名として「秘書(クセーニャ・グラチョス)」とクレジットされたが、これは誤りで「秘書クセーニャ・グラチョス(ブリオニ・ファレル)」が正解です。

検死官はハーヴェイ・ゴールド


検死官はハーヴェイ・ゴールド。前作「忘れられたスター」でアンダーソンと名乗っている。ハーヴェイ・ゴールドは27話「逆転の構図」ではカメラ店の店主ハリー・ルイスを演じています。日本語吹き替えは「ウイルソン刑事」「ドカベンで徳川監督」の野本礼三さん。

 

損と得が逆転して、爽快なラスト


このお話の結末は、かなり大胆な発想によるもので、「損得の逆転」を上手く利用しました。単にスケールの大きな作品であるだけでなく、その壮大さを利用した結末でもあり私は高く評価しました。

エンディングでコロンボ警部にお茶を振る舞うサラー。コロンボが「人間あきらめが肝心だ」と完全敗北を認め、サラーを油断させます。しかも、お互いを尊敬しあえる関係を作ろうとしているようにも見えます。

その直後に大逆転を迎えるわけですが、国王の帰国を引き延ばしていることからも、このサラーのようなスキの無い悪党に対し、「勝ち試合」と見抜いていることが凄いのですね警部。サラーに「外交官特権を放棄する書類にサインするよう」伝える小池朝雄さんの口調は、爽快〜。

監督:テッド・ポスト
脚本:ルー・シャウ

ハッサン・サラー:ヘクター・エリゾンド
ロッホマン・ハビブ:サル・ミネオ
スワリ国王(アームド・カマロ):バリー・ロビンス
秘書(クセーニャ・グラチョス):ブリオニ・ファレル
オーガスト部長:ビル・ザッカート
本部長:ケネス・トビー
検死官(アンダーソン)ハーヴェイ・ゴールド(野本礼三)
 
加筆:2015年12月5日
 
 
posted by ぼろんこ at 19:45 | Comment(30) | 後期作品(32話〜45話)

2009年10月04日

刑事コロンボ 34話「仮面の男」

刑事コロンボ「仮面の男」
Identity Crisis / 1975[第5シーズン 34話]

28話「祝砲の挽歌」に続き、パトリック・マッグーハンが犯人:ネルソン・ブレナー役で再登場しました。この後の新シリーズでも登場しますが、この作品「仮面の男」での顔が最もマッグーハンらしいかもしれません。

壮大なスケールの作品が続く


壮大なスケールで描かれた二作品、33話「ハッサン・サラーの反逆」と35話「闘牛士の栄光」に挟まれたこのお話も、犯人がCIAの情報部員であるという意味で、凄く大げさな背景でした。

登場人物は豪華



「もう一つの鍵」のレスリー・ニールセン


まず、殺されるジェロニモ(A.J.ヘンダーソン)は、7話「もう一つの鍵」で、ベス・チャドウィック(スーザン・クラーク)の婚約者ピーター・ハミルトンを演じたレスリー・ニールセンです。

→ジェロニモのホテル(脚本中:ビルトモアホテル)

ヴァル・アヴェリー


海岸のバー「シンドバッド」のオーナーは、12話「アリバイのダイヤル」25話「権力の墓穴」などに出演している、ピーター・フォークの「盟友」で「名優」の「ヴァル・アヴェリー」


ヴィトー・スコッティ


演説している男性:サルヴァトーレ・デフォンテは、19話「別れのワイン」20話「野望の果て」など、たびたび刑事コロンボシリーズに出演している名脇役の「ヴィトー・スコッティ」


クレーマー刑事


補佐役の刑事は、コロンボシリーズ中で最もなじみ深いクレーマー刑事「ブルース・カービー」。今回も可愛い演技を見せてくれました。

アンダーソン検死官


追いはぎ天国で、初動捜査にあたる検死官の一人:アンダーソンは、バーク刑事Bの「ジェローム・グアルディノ」と良く似ていますが、おしらく別人で「カーメン・アルジェンツィアノ」という俳優さんです。

部長は「奥様は魔女」のラリー


CIAのコリガン部長役は、奥様は魔女のダーリンが勤める広告代理店の社長「ラリー」でお馴染みのデヴィット・ホワイト。今回はシリアスな役でしたが「奥様は魔女」のコミカルなラリー の印象が強く、見ていて笑ってしまいました。。


バーバラ・ローデス


遊園地の女性カメラマン:ジョイス役のバーバラ・ローデスは、7話「もう一つの鍵」にも出演しています。(加筆2010年7月27日)調べてみました。また、この遊園地のロケ先はロサンゼルス動物園ではないかと思われます。

→バーバラ・ローデス

シンドバッドはどこにあるか?


海岸のバー「シンドバッド」は撮影データでは、街の中心部より南の「ロングビーチ」がロケ現場だと言うことです。しかし台詞では「サンタモニカ埠頭」のシンドバッドという設定。さらに、「二人はロングビーチの遊園地(南方面)」で会ったことになっていますが、撮影現場は「ロサンゼルス動物園(北方面)」らしいです。


クリフ・カーネル


写真屋のオヤジ:ドン役の「クリフ・カーネル」は、9話「パイルD-3の壁」でウイルソン巡査、12話「アリバイのダイヤル」でクレメンス刑事役で出演しています。

遊園地での二人の行動は不可解


コロンボ警部の捜査上で大きな手がかりとなる遊園地での写真。犯人のブレナーと被害者のジェロニモが再会し、秘密の打ち合わせをする場所が遊園地なのですが、ここでのブレナーの行動が大疑問。射的ではしゃいで店主に印象づけたり、ジョイスに記念写真を撮られたり、少女にぬいぐるみをプレゼントしたり、やりたい放題でしたね。

広告会社の人の証言で身元がバレる


コロンボ警部とクレーマー刑事は、ヘンダーソンの成りすましを暴き、パイクのロングビーチ遊園地を手がかりに、写真に写っているサングラスの男を見つけた。そこからブレナーの身元がなぜ分かったか?

遊園地から広告会社にとんぼ返りし、社員に写真を見せたのでしょう。コロンボは「広告会社の人が、サングラスの男はブレナーだと教えてくれた」と説明しています。ブレナーは広告会社と面識があったのです。(加筆:2013年1月16日)

CIAの情報部員が超大金持ち


戦歴も誉れ高く、経営コンサルタントとしても有名。それにしても、半端でなく家が豪華!もの凄いプールで十人近いゲストが泳いでいるし。こりゃ、悪いことして蓄財してますって、自分で言っているようなもので、「二重スパイで荒稼ぎ」って、CIAは見抜けなかったんでしょうかね?
→交通遊園地の所在地(動物園)

変装した老人の顔がエリック・プリンスに似てるか?


メルビルを事故に遭わせる「スタインメッツ」はブレナーが変装したものですが、その顔が後にマクグーハンが演じる67話「復讐を抱いて眠れ」のエリック・プリンスに雰囲気が凄く似ています。これは実際に、マクグーハンが老けたということもあるのでしょうが、比較してみると面白いです。

 

ブレナー邸で人生を語る二人。


後半のシーンで、ブレナーはコロンボを自宅に誘います。署に戻る必要があると一旦は断わりますが、日を改めて邸に出向くことになります。ここでブレナーはお酒を振る舞いますが「百薬の長としては、何が望みか?」とコロンボに尋ねます。シンドバッドのオーナーが「毒は何にします?」と言い回したのと対照的で面白いです。

中国の麻雀セットを見せてもらったコロンボから「ギャンブルがお好きなんですね?」と尋ねられ「それ以外、何がある?」と答えるブレナー。コロンボ作品の中には、ギャンブル好きの登場人物が多く出てきます。

ブレナーは数々の成功を収め名誉も富も手に入れたのに、退屈な人生だと評しシラけた口調です。コロンボ警部がブレナーの部屋で珍しいものを見てハシャイでいるので、何とも不思議な会話になっています。

ネルソン・ブレナー邸はウォード・ファウラー邸


ネルソン・ブレナー邸と38話「ルーサン警部の犯罪」のウォード・ファウラー邸は同一です。人の背丈ほどもありそうな大きな暖炉が目印です。→ネルソン・ブレナー邸の場所


監督:パトリック・マクグーハン
脚本:ウィリアム・ドリスキル
出演:ネルソン・ブレナー:パトリック・マクグーハン
ジェロニモ:レスリー・ニールセン
クレーマー刑事:ブルース・カーヴィー
コリガン部長:デヴィット・ホワイト
サルヴァトーレ・デフォンテ:ヴィトー・スコッティ
ジョイス:バーバラ・ローデス
  
加筆:2015年11月30日
 
posted by ぼろんこ at 19:56 | Comment(35) | 後期作品(32話〜45話)

2009年10月03日

刑事コロンボ 35話「闘牛士の栄光」

刑事コロンボ「闘牛士の栄光」
A Matter of Honor / 1975[第6シーズン 35話]

メキシコの元闘牛士である英雄ルイス・モントーヤが、自分の経営する牧場の長年の相棒エクトールを殺害。

海外ロケ作品


海外ロケ「メキシコ旅行」で展開され、29話「歌声の消えた海」の続編のような位置づけの作品。モントーヤがエクトールを殺害するシーンと、コロンボ警部が登場する交通事故シーンをうまく関連づけています。このシーンでは、メキシコという土地で、全く言葉が通じないシチュエーションをとても楽しく描いていました。

英雄ルイス・モントーヤ


ルイス・モントーヤ役のリカルド・モンタルバンは風格たっぷりで良かったですね。モントーヤが足に大けがをし、闘牛士を引退したいきさつを話すシーンでは、彼の顔が徐々にクローズアップされ、かつての栄光をいかに誇らしく思っているかが伝わってきます。

ただ、解決編では「メキシコの英雄的闘牛士の心情が理解できなければ納得できない」オチだったですね。コロンボ作品中では「かなりきれいな殺害動機」と言えるかも知れませんが、私のようなコロンボファンには、すこし物足りなかったです。

雰囲気重視でも、スッキリしないラスト


ラストシーンも、決定的な証拠を突きつける、または犯人に「自分が犯人と認めざるを得ない」言動に誘導するというタイプではなく、スッキリしたものではありません。しかも、解決後の「解説」シーンが、いかにもそれらしくて残念でした。それでも、この感覚(誇りを大切にする)は名作の呼び声高き19話「別れのワイン」に通じるかもしれません。

牧童ミゲル が可愛い


本筋ではない話題に触れますと、牧場で働くミゲル「エミリオ・フェルナンデス」は、とても可愛いかったです。茶目っ気たっぷりで、笑顔が素敵な俳優さんでしたね。


メキシコ人の国民性をかいま見る


また捜査に同行した地元警察のサンチェス警部や農場監督のデルガドとの会話で「仕事に頑張りすぎるヤツは間抜けだ」という主旨の会話があり、とても興味深いものでした。日本人なんか、ほぼ国民全員が「間抜け」呼ばわりされると確信します。

監督:テッド・ポスト
脚本:ブラッド・ラドニッツ
ルイス・モントーヤ:リカルド・モンタルバン
サンチェス警部:ペドロ・アルメンダリス・ジュニア
ミゲル:エミリオ・フェルナンデス

加筆:2014年1月22日
 
posted by ぼろんこ at 00:00 | Comment(27) | 後期作品(32話〜45話)

2009年10月02日

刑事コロンボ 36話「魔術師の幻想」

刑事コロンボ「魔術師の幻想」
Now You See Him / 1976[第5シーズン 36話]

ジャック・キャシディ


大魔術師のサンティーニは、自分の隠された過去をネタに恐喝する魔術クラブのオーナーを殺害。サンティーニ役は、刑事コロンボの犯人役の巨匠「ジャック・キャシディ」が三度目の登場です。過去の作品、3話「構想の死角」、22話「第三の終章」と比べても、今回はもっとも良い味を出していたように思えました。

魔術王サンティーニ


ジャック・キャシディの手品の腕前がなかなかのモノです。場面がつなげてある箇所もありますし、仕掛けが見えそうになっているシーンも確かにありますが、それにしてもお見事。スターとしての風格が漂うサンティーニ。ユーモアもたっぷりで、ジャック・キャシディのハマり役だたっと言えます。

ボブ・ディシー


強力な脇役として、ウイルソン刑事「ボブ・ディシー」も再登場しました。11話「悪の温室」とほぼ同じテイストで、抜群の存在感でした。刑事役としてこのように、印象深く配置されることは稀で、やはり別格ということでしょう。


秀作ではあると思いますが…


この「魔術師の幻想」は、今回(2010年の再放送)初めて見たということはあり得ないはず。過去に印象が薄かった割には、かなり良い出来映えだと思いました。俳優陣も良いし、ストーリーも面白かったですね。一番重要な謎解きの場面で、ウイルソン刑事に手柄を譲る(譲りそうになる)のが、少し弱かったかな?

テクノロジーが決め手になることには抵抗が…


ただし、リボン式タイプライターが証拠になったり(これは犯人の大きな見落とし)、小さなスピーカーから聴こえる声を実際の人間の声と間違えるだろうか?とか、大きなポイントで疑問が残りました。

ロバート・ロジア


ブランドフォード役のロバート・ロジアも、素敵でした。大忙しの厨房で「おふくろが来てキスしても気付きませんぜ」は金言。ラストシーンの直前ではサンティーニが殺人犯人だと知らされていたのでしょう、少し冷ややかな態度でした。


サッカリー役のジョージ・スパーダコスは、40話「殺しの序曲」のワグナー役でも出演しています。

手品ショップの店主


その他、意外と効いていた役者さんが、手品ショップの店主「セイヤー・デヴィッド:Thayer David」。吹き替えの声優さんの良さもありますが、良い味でした。


伝説のちょい役俳優「マイケル・ラリー」


刑事コロンボシリーズに何十回もちょい役で出演している「マイケル・ラリー」。今回は実名「マイクル・ラリー」として出演しています。サンティーニの友人で、元ヨーロッパ随一の綱渡りの名人の老人の役です。


シンシア・サイクスが人気


サンティーニの娘デラ役シンシア・サイクスは男性コロンボファンに人気が高いようです1954年生まれということで当時は22才…さすがに若いですね。ミスアメリカコンテストでファイナリスト10人に選出されたことがあるそうです。


ハッ、ホッ という奇妙な台詞


サンティーニのショウを見に来たコロンボ警部は、こっそり控え室に忍び込み水槽の幻想の仕掛けを見破ります。その場面で「あの手錠外はお見事でした、流石、名人ですな〜ハッ」という、妙な台詞がありますが、これは英語バージョンも同じでした。

ブログのゲストさんのお話:「英語の表現としては、さほど奇妙なものではありません」とのことでした。参考にさせて頂きます。

新調されたコートが、何とも…


新調されたコロンボのコートが滑稽。まるで銀河鉄道999に出てくる、車掌さんのようにも見えました。この1回きりで、またもとのヨレヨレのコートに戻りますが、素晴らしい味付けだと感心します。

監督:ハーヴェイ・ハート
脚本:マイケル・スローン

グレート・サンティーニ:ジャック・キャシディ
デラ(サンティーニの娘):シンシア・サイクス
フレデリック・ウィルソン刑事:ボブ・ディシー
ブランドフォード:ロバート・ロジア
ジェシー・ジェローム:ネヘミア・パーソフ

加筆:2015年3月5日
 
posted by ぼろんこ at 22:37 | Comment(34) | 後期作品(32話〜45話)

2009年10月01日

刑事コロンボ 37話「さらば提督」

刑事コロンボ「さらば提督」
Last Salute to the Commodore / 1976[第5シーズン 37話]


完全に倒叙でない刑事コロンボ作品です。普通に考えれば面白い作品なのかもしれませんが、保守的な刑事コロンボファンの場合、受け入れ難いでしょうね〜。

ロバート・ヴォーン


死体遺棄の犯人として、29話「歌声の消えた海」のロバート・ヴォーンが再登板。今回は、いつもに増して馴れ馴れしく接近してくるコロンボ警部にタジタジな感じでした。

フレッド・ドレイパー


18話「毒のある花」31話「5時30分の目撃者」等に出演のフレッド・ドレイパーがスワニー・スワンソン役で登場。また、お馴染みの「クレーマー刑事:ブルース・カーヴィ」が重要な役を務めるなど、華やかでした。


シオドア・アルビンスキー 刑事


でも、事件解決編で新米エリート刑事のシオドア・アルビンスキー:デニス・デューガン(なぜか通称マック)と一緒に、声高に説明をし出すシーンは、日本のサスペンス劇場顔負けの茶番で、とっても残念。


執事のタナーを発見!


弁護士の老紳士ケタリングは。13話「ロンドンの傘」でサー・ロジャーの執事タナーを演じた俳優「ウィルフリッド・ハイド=ホワイト」でした。アリバイの証言内容など、ちょっと一癖ある人物を好演しています。


金太郎あめのような俳優


それは「ジョン・フィネガン」。今回はガードマンの役で出てました。調べてみたら合計12回出演しているようです。おそらくコロンボシリーズ最多出演(クレジット数)の俳優と考えて間違いないでしょう。


最終回的な匂いの漂う作品


ラストシーンのクレーマー刑事との会話「やめたんじゃないですか?」「まだまだ。まだやめられませんよ。もうちょい、やらせてもらうよ」。と煙草の話に引っ掛けた台詞があります。これは本作品が最終回になる予定であったと伝えられるが「ピーターフォークはやる気満々」という意思表示に映ります。「カミさんも乗せてやろうと思って…せめてこのボートに」と海に去って行くコロンボ警部でした。しかし…残念なことに、BGMの「THIS OLD MAN」のメロディが間違っているんです!

後の第6シーズンに秀作が続く!


しかし本作が意外に好評だったのか? 第6シーズン以降の8作品が制作されることになりました。その中には41話「死者のメッセージ」43話「秒読みの殺人」など私の好きな作品も含まれています。

監督:パトリック・マクグーハン
脚本:ジャクソン・ギリス
チャーリー・クレイ:ロバート・ヴォーン
ジョアンナ・クレイ:ダイアン・ベイカー
スワニー・スワンソン:フレッド・ドレイパー
ケタリング:ウィルフリッド・ハイド=ホワイト
クレーマー刑事:ブルース・カーヴィ

加筆:2013年1月10日 
 
 
posted by ぼろんこ at 19:56 | Comment(19) | 後期作品(32話〜45話)

2009年09月12日

刑事コロンボ 38話「ルーサン警部の犯罪」

刑事コロンボ「ルーサン警部の犯罪」
Fade in to Murder / 1976[第6シーズン 38話]

2010年4月2日の放送を不覚にも見逃し、7月1日のNHK BSでの再放送を慎重に録画し無事に見ることができました。これで刑事コロンボシリーズ全69話を全て見たことになります。

カーク船長


犯人ルーサン警部こと俳優ウォード・ファウラーは、ウィリアム・シャトナー:スタートレック(宇宙大作戦)のジェームズ・カーク船長。シャトナーはその後63話「4時02分の銃声」にも出演。2010年のバンクーバーオリンピックの閉会式でも、その健在ぶりを拝見しました。

パベル・チェコフ


トニーの店での初期捜査に参加するジョンソン刑事はウォルター・ケーニッグで宇宙大作戦スタートレックのロシア人将校チェコフでした。コロンボ警部との共演で、すごく楽しそうに演技しています。


ティモシー・ケリー


デリカテッセンの主人トニーは、2話「死者の身代金」5話「ホリスター将軍のコレクション」などで毎回レストランのオヤジを演じる「ティモシー・ケリー」


ジョン・フィネガン


テレビ局のAD(セットの裏でコロンボ警部と遭遇する男性)は、他の刑事役やバーニーの店の主人を演じる、言わば準レギュラー級の俳優「ジョン・フィネガン」


フレッド・ドレイパー


さらに冒頭シーンで大根役者を演じるのは、18話「毒のある花」31話「5時30分の目撃者」37話「さらば提督」と多数出演のフレッド・ドレイパー


シェラ・デニス


そして、殺害されたクレア・デイリーの旦那の秘書(愛人)モリーはシェラ・デニス(ピーターフォークの嫁)でした。彼女は42話「美食の報酬」50話「殺意のキャンバス」58話「影なき殺人者」66話「殺意の斬れ味」64話「死を呼ぶジグソー」にも出演。


ここが見逃せない!


撮影を中断して、ウォードのギャラについて議論をしているテレビ局の役員。2010年の再放送の初見当時はこの人の名前がどうしても分りませんでした。

7話「もう一つの鍵」で、犯人ベス・チャドウィックに「自分の方針に逆らうなら再就職を考えなさい」と脅される役員。30話「ビデオテープの証言」でもブロンソン巡査にも酷似している俳優さん。
▲2013年1月15日に、この俳優さんの名前が明らかになりました。「フランク・エメット・バクスター」さんがその人です。ルーサン警部の犯罪の役名はウォルター・グレイ(撮影所の所長)。

ちょっと難解なストリーの序盤


ストーリーは面白いと思いました。が、作品の時間が短いので少しヒントが省略されすぎていて、見逃し易いエピソードだった気がします。「クレアがトニーの店でサンドイッチを買う」という電話での話も、聞き逃しそうでしたし、二人の会話を良く聞かないと「クレアがウォードを恐喝している」ヒントには気付きませんでした。

クレアがもう少し悪人に見えたら…


実際にはクレアはウォードのギャラの半分を奪い取っていました。でも何となく…クレアのキャラクターがそれほどの悪人に見えません。素敵な女優さんですが…すこし残念。

決定的な証拠は不完全燃焼


洋服の弾痕のずれ、マスクの化粧など、捜査段階でのコロンボ警部の「着眼」は見事です。それに対し「証拠」とされた空砲の指紋は、残念です。もっとストーリーの流れの中で「証拠」を引き出したかったですね。例えば11話「悪の温室」のように。

ルーサン警部の身長は?


ルーサン警部の身長が話題になるシーン。演じたウィリアム・シャトナーは公式発表で177cmだということですが、少し…サバを読んでいるかな?

監督:バーナード・L・コワルスキー
脚本:ルー・シャウ、ピーター・S・フェイブルマン
ウォード・ファウラー:ウィリアム・シャトナー
クレア・デイリー:ローラ・オルブライト
トニー:ティモシー・ケリー
モリー:シェラ・デニス

加筆:2015年10月5日
 
 
posted by ぼろんこ at 19:57 | Comment(26) | 後期作品(32話〜45話)

2009年09月02日

刑事コロンボ 39話「黄金のバックル」

刑事コロンボ「黄金のバックル」
Old Fashioned Murder / 1976[第6シーズン 39話]


美術館の館長ルース・リットンが、大切にしている美術館の売却を企む理事(弟)のエドワード・リットンを、警備員ミルトン・シェイファーとの同時発射の相撃ちに見せかけて殺害します。

ジョイス・ヴァン・パタンが可愛い


女系ファミリーを楽しく描いた作品です。女性らしさを捨てた犯人ルース・リットン[ジョイス・ヴァン・パタン]が、かえって美しく感じられる作品でした。ジョイス・ヴァン・パタンは27話「逆転の構図」にもシスター役として出演しています。


悲しい物語に、滑稽なキャラクター


逆に姉のフィリス(セレステ・ホルム)は自分を「美しい」と讃えますが、画面には美しさよりむしろ「滑稽さ(気絶・裾踏まれ)」が漂っています。この「裾踏まれ」のギャグは33話「ハッサン・サラーの反逆」でも炸裂しています。


トリックには疑問が続出


犯行の仕掛けとしては、疑問点が多く残ります。男性二人、弟エドワード(ティム・オコナー) vs 警備員シェイファーで、ほぼ同時に拳銃を発射して相撃ちとなり両者が死にました。シェイファーはその時、兄に電話していて留守電には銃撃音が一発録音されています。現場の電話は、シェイファーが撃たれたので受話器がぶら下がったまま。どう考えても不自然。コンマ数秒発射がずれれば、どちらか生き残るはずだし、2丁の拳銃の音が1音に聴こえるはずがない。

誰が灯を消したんでしょう?


そこを大目に見たとして、「二人が同時に死んだ後、誰が灯を消したんでしょう?」という、コロンボ警部の大疑問は、他の作品と比較しても「かなり明瞭ですっきりした着眼点」です!これは、エドワードの書斎で、誤って灯を消してしまうルースの「倹約癖」のシーンとも連動しています。犯行現場で電話のトリックを忘れずに実行した後に、これで完璧…とばかりに灯を消してしまうのです。

邦題は「黄金のバックル」


ややもすると、全体のストーリーとはあまり深く関係しない証拠品にスポットが当たった邦題。「黄金のバックル」は後半で殺人容疑がかかる姪のジェニー(ジェーニー・バーリン)が、このお宝を「灰皿」として扱ったことから容疑が晴れること。そしてこの証拠品は、自分を最も愛してくれたはずの叔母ルースが「自分に罪を着せる」ための小道具であった…というかなり悲しい事実が背景にあり、まぁ納得できる邦題とも思えました。

原題の「Old Fashioned Murder」は「古風な殺人」とでも直訳できそうです。ルースは今回の二重殺人のずっと以前にもう一人殺していたようにほのめかされますが、もしそれが明るみになれば、家族を守ってきた気丈な叔母さまから「父親殺し」へと転落してしまう…。その駆け引きがラストシーンの数分間にありました。

ジェニーは誰が産んだ子であったか…


壁にかかった絵を見て、ルースが「姉にピーターブラント夫人の座を奪われた」と過去を振り返るシーン。姪のジェニーについて…「私が産んだかもしれない娘です」「そう、それで我が子ののように可愛いのでしょう」と語っています。

この「そう」という言い方で、私はジェニーがルースの子ではない…と想像しています。その他には決定的なシーンがありませんので、見る人の想像にお任せします…ということで良いのかな(笑)

過去を暴いて、犯人を落とす作戦


それにしてもコロンボ警部の凄さはこのように「今担当している事件の解決」はもちろん、犯人の過去の秘密をも暴いてしまうことです。そして犯人にほのめかし、犯行を自供させる。これは多くの作品で見られますね。14話「偶像のレクイエム」は過去の秘密そのものがテーマになった作品です。

ティム・オコナー


被害者の一人エドワード・リットンの俳優はティム・オコナーで、17話「二つの顔」では弁護士マイケル・ハザウェイを演じていました。どちらも、なかなか印象に残る演技でした。

ただしルースとの会話「ヴィクトル・ユーゴー」「オスカー・ワイルド」のくだりは、劇文学に精通していないと笑えないかも。ちなみに、オスカー・ワイルドは「幸福な王子」、ヴィクトル・ユーゴーは「レ・ミゼラブル」などの著者。
 

リットン博物館


リットン博物館はL.A.市内のマウントセントメアリーズ大学のドヘニーキャンパスです。ネットで写真検索すると、タイトルバックに使われた外観写真を見ることができます。→ リットン博物館(コロンボマップ)

 
監督:ロバート・ダグラス
脚本:ピーター・S・フェイブルマン
ルース・リットン:ジョイス・ヴァン・パタン
エドワード・リットン:ティム・オコナー
フィリス・ブランド:セレステ・ホルム
ジェニー・ブランド:ジェーニー・バーリン
etc.

加筆:2015年11月30日
 
 
posted by ぼろんこ at 00:00 | Comment(23) | 後期作品(32話〜45話)

2009年09月01日

刑事コロンボ 40話「殺しの序曲」

刑事コロンボ「殺しの序曲」
The Bye-Bye Sky High IQ Murder Case
1977[第6シーズン 40話]

刑事コロンボの中では、第6シーズンに属する後期的作品。背景は世界でトップレベルのIQを持つ人が集まる「シグマクラブ」で起こる殺人事件。クラブのメンバーである会計事務所の経営者オリバー・ブラントが友人で共同経営者、しかもシグマクラブのメンバーでもあるバーティを殺害。動機は、オリバーの横領を知ったバーティが、世間に公表すると脅したためです。

動機は十分。バーティはかねてより友人オリバーの言動に対し、強い不快感を抱いていて、その腹いせに彼の身辺を探ったため、不正が発覚します。常日頃から周囲にバカにされている人は、たとえそれに悪意が薄かったとしても、いつか許せなくなるのもなのでしょう。

トリックは緻密だが、天才集団を感じさせない


この作品の特長は他の作品と比較し「殺害のトリックが異常に緻密」であること。それが大きな要素となりすぎて、「世界でトップレベルのIQを持つ人が集まるクラブ」の存在感は逆に薄くなっている点が惜しいです。一部の登場人物を除いて、あまり頭の良い人の集団と思わせてくれません。

トリックに凝りすぎて、現実味がないとも感じます。傘の中で破裂した爆竹の音が果たして銃声に聞こえるだろうか?音楽のボリュームを絞り、犯行後にプレーヤーのカバーを閉めておけば、もっと怪しまれなかったはず。犯人が頭脳明晰のわりには短気で、容疑をかけられる素性を持っているなど。また、これは微妙な判断ですが、解決シーンで「赤いペンが落ちるほんの一瞬前に辞書が傾き始める気がする」点も‥。

天才オリバーちゃんは可愛い


ただ、そのようなことを差し引いても、楽しめる作品であることは確かです。犯人の天才オリバー・ブラント「セオドア・バイケル(ビケル)」も、まさかコロンボ警部のような「計り知れない程の頭脳の持ち主」が担当刑事として自分の前に現れるとは予測もしていなかったことでしょう。


異常とも思えるほど緻密な殺害トリックを仕掛けるシーンで「満面の笑み」を浮かべ作業するオリバーの顔が印象的に描かれています。犯罪工作の王者「パトリック・マクグーハン」も顔負けです。

オリバー・ブラントは、頭が良い割には「子供のような性格」な人ですね。公園で拳銃をゴミカゴに捨てるシーンで、コロンボに気付かれる不安が消えた直後に、嬉しそうな顔に一変して傘の説明をし出す場面など、興味深いです。彼の性格は妻のビビアン(サマンサ・エッガー)との会話「オリバーちゃん呼ばわり」でも伺え知れます。

脇役ソレル・ブークが良い


犯人オリバー・ブラント役のセオドアバイケルも良いのですが、被害者のバーティ・ヘイスティング役のソレル・ブークも深く印象に残りました。このソレル・ブークは24話「白鳥の歌」にも出演(アレンジャー(編曲者)のニック・ソウルカント役)しています。


また原題の「The Bye-Bye Sky High I.Q. Murder Case」は「空高いIQの殺人事件」のようなイメージですが、邦題ではむしろ音楽にスポットを当てたようですね、残念でした。

ウエイトレス のお姉さんが怖い


レストランのウエイトレスの女優は「ジェイミー・リー・カーティス」で、有名な俳優の「トニー・カーティス」と刑事コロンボ32話「忘れられたスター」のジャネット・リーを両親に持ちます。ちょい役でも流石に存在感のある演技です。睨みつける顔がめちゃ怖いですよね。


ハワード・マクギリン


出世願望の強い若手会計士のジョージ・カンパネラを演じたのはハワード・マクギリン。目鼻立ちがはっきりした二枚目で、とても印象に残りました。やはりコロンボにはパンチの効いた脇役さんがいますよね。


チャイコフスキーの幻想序曲「ロメオとジュリエット」


この作品、邦題「殺しの序曲」で、作品中に登場するクラシック音楽はロシアの作曲家チャイコフスキーによる幻想序曲「ロメオとジュリエット」。私の持っている音源はシャルル・デュトワ指揮モントリオール交響楽団によるもので、20分33秒という長い演奏時間の14分12秒に、オリバー・ブラントが再生位置を設定した「第二主題による美しいメロディ」を向かえます。おそらくオリバーは特にお気に入りだったのでしょう。当時のステレオでこの位置から自動再生するには「一度手動で記憶」させる必要があると思われ、ここでも彼の無邪気な性格が伺えます。

人間コロンボを感じられる会話で、自分を見つめ直す


シグマ協会で向かえるラストシーンの一場面で、天才オリバーの苦悩や、コロンボ警部の人間哲学に触れることができます。オリバーは神童と呼ばれ苦しんだ幼少期を語ります。私は神童と呼ばれた経験はありませんが、子供の頃から「わざと頭が悪く見られるように振る舞っていました」。その方が周囲と楽しく過ごせるからです。一方コロンボは、自分は決して秀才とは言えない素材だが、粘り強くしつこく頑張ればきっとモノになる。と答えています。今の私はこの心境です。全力を尽くさず人生を終えることなんてあり得ないですね。コロンボにとって、天職とも言える刑事。その姿に自分の生きる指針を見つけ出すことができました。

「殺しの序曲」は意外と深い作品かも


先述のオリバーとコロンボの会話。それ以外にも、「いじめっ子、いじめられっ子」「天才と凡才」「気持ちの通じない夫婦」「出世を競う二人の秘書」など、殺人事件の周囲で見られる人間関係が面白く描かれています。

なかでもオリバーとバーティの関係は特に興味深いです。バーティのことが好きなオリバーは行き過ぎた愛情表現から逆にバーティから嫌われ、それが横領を暴露される危険を増大させます。本当に頭が良ければ「相手から嫌われない工夫」をもって世を渡れるはずなのですが、最も短絡的な解決方法「殺人」を実行するのも皮肉に感じます。

監督:サム・ワナメイカー
脚本:ロバート・M・ヤング

オリバー・ブラント:セオドア・バイケル(ビケル)
妻ビビアン:サマンサ・エッガー
バーティ・ヘイスティング:ソレル・ブーク
ジョージ・カンパネラ:ハワード・マクギリン
キャロライン:キャロル・ジョーンズ
バーク刑事:トッド・マーティン

加筆:2013年10月8日 
 
posted by ぼろんこ at 00:00 | Comment(33) | 後期作品(32話〜45話)

2009年08月05日

刑事コロンボ 41話「死者のメッセージ」

刑事コロンボ「死者のメッセージ」
Try and Catch Me / 1977[第7シーズン 41話]

人気女流ミステリー作家の「アビゲイル・ミッチェル」が「ヨットの事故で亡くなった姪」の夫エドモンドを殺害。今回は金銭的な利害ではなく、姪が死んだ責任はエドモンドにあると推理したアビゲイルが、その復讐を企んだもの。

ゲストスター のルース・ゴードンが素敵!


この作品も過去に見たときの印象がとても強かったです。まずゲストスターのアビゲイル・ミッチェル役:「ルース・ゴードン」が、素晴らしかったです。小柄な女性ですが、その小柄さと独特の仕草があいまってとても可愛らしく描かれていたと思います。


コロンボ警部が講演会のスピーチでも語っていますが「時には殺人犯を尊敬し、好意を抱くこともある」とは、まさにこの話のアビゲイル・ミッチェルを指しているのではと思われる程、お互いに敬意を表しながらストーリーは進みます。どこか19話「別れのワイン」に共通する雰囲気を持っている作品だと思いました。飛行機での旅行や、窒息死などの類似点もあります。

マリエット・ハートレイも魅力的


22話「第三の終章」にも出演のマリエット・ハートレイが演じた秘書のベロニカもとても良かったと思います。ゲストスターの犯行を見抜いて恐喝する脇役はたくさんいますが、「殺されなかった」ことも、この作品を美しく感じさせる要因となっています。この点も「別れのワイン」に通じますね。


計画殺人モノとしての醍醐味


シリーズ中最も人気の高い「別れのワイン」は計画殺人ではありません。その点、この作品ならではの楽しめる点も多いのです。冒頭のベロニカとの会話のシーンでは、エドモンドが金庫から大声を出しても外に聞こえないテスト。そして、ストップウォッチを覗き見する時の表情も見逃せません。

弁護士のマーチンは鋭い


また、遺書にサインした直後に「不審な死をとげた」エドモンドですが、抜群のタイミングで起きたこの事件に対し、弁護士のマーチンは「最初からアビゲイルが怪しい」と睨んでいたと思われます。旅立つ直前(犯行直後)に、金庫の前に立っている彼女と遭遇していますし…。船で口走った意味深な言葉はダメ押し的でしょう。

エドモンドの車のキー


ベロニカが「エドモンドの車のキー」の入手後、しばらくはアビゲイルの様子を伺っているのも、上手いな〜と思います。そして自ら恐喝に打って出ました。予期せぬ出来事「エドモンドの車のキー」の処理について、アビゲイルは2回キーを捨てるチャンスがありました。最初は犯行直後、2回目は警部の犬の散歩で出会った埠頭。推理小説の巨匠でも、生身の人間の行動においては、冷血な判断ができなかったのでしょう。キーは捨ててしまった方が良かったのです。

コロンボ警部の刑事哲学を感じました。


事件解決のエピソードはここでは語りませんが、ラストシーンで「特別扱いしてもらうわけではないが、この年だし、害のない人間だし…」と、見逃して欲しい…とすがるような態度を示すアビゲイルでした。ここでコロンボ警部が「先生も私も立派なプロですから」と諭した場面は、深く心に残るものです。コロンボにしてみれば、その動機から考えても同情したい気持ちは大きいのだが、「プロとして見逃すことはできない」ということでしょう。それはまた「殺人を扱う作家の完全殺人計画」が失敗に終わったことを認めた今、責任から逃避しないことを彼女に求めたのだと思われます。

ナイチンゲールはサヨナキドリ。


犯行の準備をするシーンで「何か聞こえる?ナイチンゲール?」のくだりがありますが、ナイチンゲールはサヨナキドリで鳴き声が美しい小鳥。「墓場鳥」とも呼ばれるそうで、コロンボ警部と初対面の日「警部がピアノでThis Old Man」を弾いた後、バーク刑事がドアを開けたシーンなどで庭から聞こえてくる鳥の鳴き声が、そのナイチンゲールなのでしょうか。
 

アビゲイル・ミッチェル邸。


ネットで調べたら「死者のメッセージのロケ現場」らしき場所の地図が見つかった。ぜひ拡大してみてください。おぉ、ベロニカから恐喝をほのめかされた庭らしき形状がわかります。本当だろうか…。
 

バーク刑事B


バーク刑事Bは「ジェローム・グアルディノ」。この他の刑事コロンボ作品に多数出演しています。他にも「バーク刑事A」が存在!


▼関連記事
- 美しい音楽とともに展開する「死者のメッセージ」

監督:ジェームズ・フローリー
脚本:ジーン・トンプソン、ポール・タッカホー

アビゲイル・ミッチェル:ルース・ゴードン
秘書ベロニカ:マリエット・ハートレイ
エドモンド:チャールズ・フランク
マーチン弁護士:G・D・スプラッドリン

加筆:2015年4月30日
 
 
posted by ぼろんこ at 11:28 | Comment(30) | 後期作品(32話〜45話)

2009年08月04日

刑事コロンボ 42話「美食の報酬」

刑事コロンボ「美食の報酬」
Murder Under Glass / 1978[第7シーズン 42話]

料理評論家のポール・ジェラード氏がレストランのオーナー、ヴィットリオ・ロッシを殺害。テレビ番組やCMでも有名なジェラードが、その名声を利用してレストランの評価を思いのままに操っていることに腹を立てたビットリオの口を封じたのです。

ジェラード はあまり聡明ではない…


犯人のジェラードは(ルイ・ジュールダン)「頭脳明晰」というよりむしろ脳天気ともかんじさせる人物で、切れ味は感じませんでした。ワインによる毒殺が判明した瞬間、ワインオープナーが怪しまれることも当然の成り行きと思えます。


美食の国、日本とイタリアが大きく扱われた作品


初期のコロンボ作品と、新刑事コロンボの中間のようなテイストです。刑事コロンボ作品中、最も「日本」が大きく扱われた作品。「日本」とともに、イタリアンレストランが舞台いということで、イタリアンな雰囲気も全体に漂います。コロンボ警部は食べているシーンが多いですね。

日本人「小津氏」


登場人物の日本人「小津氏」。映画監督の小津安二郎を連想させるし「OZ」と発音され、アメリカ人にも親しみやすかったのでしょう。襟には「福壽」と書かれています。俳優のマコ岩松氏。この時、ふぐ刺しを食べるコロンボの箸使いは、下手で笑えます。

あなたの才能は素晴らしいが、後はてんでイケません


ラストシーンは、なかなか印象的でした。ジェラードはコロンボ警部の「誘い」にのる形で「いっそのこと、コロンボを殺してしまえ」と第二殺人計画を思い立ちます。それが、コロンボの狙いでもあっただけに悔しさもひとしおだったでしょう。この後のコロンボの台詞「証拠ってのは、こういうヤツを言うんです」と、ジェラードの仕掛けた毒入りのワイングラスを指差すあたり、爽快です。一連の会話の中で「お互いの才能を評価する」反面、人間としては好きでない、という言葉の応酬があります。ジェラードの方は腹いせ的ですがコロンボ警部の「あなたの才能は素晴らしいが、後はてんでイケません」の台詞は、殺人という短絡的な解決方法に走った犯人に対し「人間失格」の判決を下す裁判官のように見えました。

後のコロンボの「カミさん」シェラ・デニスが再登場


ジェラード氏の秘書イブ・プルマー役で、シェラ・デニスが出演しています。新シリーズと比較するとやはり若いですね〜。吹き替えの声優も「若い女性風」の声で、後に新刑事コロンボに数多く登場する際の声とは異なります。

ジェラード氏の自宅で小津氏と同席するシーン、松竹梅と書かれた派手なオレンジ色のハッピを着ているのはこっけい。

不思議なキャラクターのバーク刑事


コロンボ警部は初対面の2分後に、犯人はジェラード氏であると疑ったと名言していますが、この時居合わせたのが40話「殺しの序曲」にも登場するバーク刑事(トッド・マーティン)。画面にいるだけで存在感を感じる素敵な俳優さん


ヴィットリオはマイケル・V・ガッツォ


マイケル・V・ガッツォはゴッドファーザーPART IIなどにも出演した俳優さん。「美食の報酬」では、豪快なイタリア人シェフを名演しています。毒に苦しんで絶命するシーンは印象的です。日本語版吹き替えは藤岡重慶さん「あしたのジョー」のおっつぁん「丹下段平」役でも有名ですね〜。

レストラン振興協会の女性会長はロバート・カルプの元カミさん


葬式のシーンで支払済の小切手を破って、コロンボから目をつけられたメアリー・チョーイはフランス・ニュイエン。彼女は1967年〜3年間ロバート・カルプの奥さんでした。


監督:ジョナサン・デミ
脚本:ロバート・バン・スコヤック
ポール・ジェラード:ルイ・ジュールダン
イブ・プルマー:シェラ・デニス
バーク刑事:トッド・マーティン
 
加筆:2014年6月6日
 
posted by ぼろんこ at 16:45 | Comment(30) | 後期作品(32話〜45話)

2009年08月03日

刑事コロンボ 43話「秒読みの殺人」

刑事コロンボ「秒読みの殺人」
Make Me a Perfect Murder / 1977[第7シーズン 43話]


テレビ局の女性プロデューサー:ケイ・フリーストン(トリッシュ・バン・ディーバー)は、支社長であり恋人でもあるマーク(ローレンス・ラッキンビル)を殺害。

「秒読みの殺人」は名作です


この「秒読みの殺人」という作品、小学生時代にも間違いなく見ていました。しかしながら、27話「逆転の構図」や32話「忘れられたスター」ほど、強烈な印象は残っておらず、少しノーマーク的な作品でした。今回、再放送を拝見し、見事な作品であることを再認識しました、名作と言って間違いないでしょう。

刑事コロンボ的ストーリー展開を感じる


犯人役の女優や、脇役俳優の良さ云々はさておき、正当派「刑事コロンボ的ストーリー展開」が色濃く、ほとんどのシーンで無駄が無く(注)、密度の濃い作品となっています。コロンボ警部の「落としのテクニック」も、期待通り炸裂してくれています。

トリッシュ・バン・ディーバー


もう一つの側面「犯人役ゲストスター」の影響力は、他の傑作と比較し線は細めです。犯人のケイは美しく描かれていますが、突出した存在であったとは感じません。それ以上に、テレビ業界という厳しい環境において、人間が壊れてゆく様を見せてくれたと思います。


出世欲の強い女性の立場


その反面、心理の描写には鋭いものを感じます。殺意、焦り、意思の強靭さなど、通常の女性では表現しづらい心の揺れを、見事に表現しています。出世欲の強い女性が、組織のトップにのし上がる過程で、仕事を愛する気持ちよりも、成功したい願望が心を支配している様子がうかがえます。周囲の男性たちは、それを好ましく思っていませんでしたね。

それと対比し、同性愛を連想させる描写もありました。女優バレリーとの関係がそれです。初期のコロンボでは扱われなかった題材でしょう。ディレクターの男性が女性的なども、類似した観点です。

終わったら、ほっとすると言うが…


犯行を認める場面で、終わったらほっとすると言うが…その逆だ。と心境を語るケイ。まだ負けたわけじゃない、きっと這い上がってみせる…という意欲をみせました、女は強い。

フィルムチェンジをアリバイに用いたトリック


本作品「秒読みの殺人」では映写時に、フィルムのリールを切り替えるタイミングを画面右隅に表示されるパンチによって、見極める‥というテクニックが焦点となっていて、邦題「秒読みの殺人」に結びつけています。それに対し、21話「意識の下の映像」で映写技師のロジャー・ホワイトは、小銭をリール中心に挟み込んで、それが落ちたら交換のタイミングだと語っています。テレビ局の映写機は最新設備で、小銭を挟めない(カバーで覆われている)タイプでしたね。

特に印象的なシーン「エレベータの中で…」


エレベータの天井に見えた「凶器の拳銃」を、犯人ケイが何とかしてそれを下に落とそうとするシーンは、秒読みの殺人で最も印象に残る場面です。身長が低い彼女が必死になっている様子がスリル満点に描かれています。しかも、その行為そのものが、コロンボ警部が仕掛けた罠だと気付かされ、完敗を認めるのも素晴らしかったです。

パトリック・オニール


テレビ局のお偉方の役で、パトリック・オニールが登場。彼は名作と呼ばれる9話「パイルD-3の壁」で犯人のエリオット・マーカムを演じています。今回もさすがの演技でした。


テレビを修理するクレイマー刑事


なぜかテレビを修理する人の役で、すっかり顔なじみのはずの「ブルース・カーヴィ」が登場。う、どう考えても不自然な起用だと思えますが、これはブルース・カーヴィが「ジョン・フィネガン」同様、特別な俳優扱いだったことを伺い知れます。


撮影所(ロケ地)のモニター室では…


ケイはコロンボ警部に追い回され、ヒステリックに叫んでしまいます。メリーゴーラウンドの音楽と目まぐるしく切り替わる画面が印象的ですが、録画して何度も見られる時代となっては、このような強烈なシーンより、静かな場面の方がありがたいですね。同じような意味で「黄金のバックル」の、ジェニーが死体を発見して叫びそうになるシーンも、早送りしたくなります。(笑)

注)テレビ局のモニター室でコロンボ警部が、画面に模様(パターンのようなもの)を写して喜んでいるシーンは、不要でしょうかね〜。冒頭で「鼻歌を歌いながら自動車事故を起こすシーン」は、無駄と言い難い楽しいシーンでした。 

監督:ジェームズ・フローリー
脚本:ロバート・ブリーズ

ケイ・フリーストン:トリッシュ・ヴァン・ディヴァー
フラナガン:パトリック・オニール
マーク:ローレンス・ラッキンビル
ウォルター:ジェームズ・マクイーチン

加筆:2015年3月7日
 
posted by ぼろんこ at 19:57 | Comment(26) | 後期作品(32話〜45話)

2009年08月02日

刑事コロンボ 44話「攻撃命令」

刑事コロンボ「攻撃命令」
How to Dial a Murder / 1977[第7シーズン 44話]


初期シリーズの最後から二番目の作品です。約10年後から再開された新・刑事コロンボシリーズに影響を与えた作品ではないかと感じます。ストーリーの展開や解決編などに、同じテイストを感じます。

ニコル・ウイリアムソン


犯人役のゲストスター、エリック・メイスン:ニコル・ウイリアムソンは、とても印象に残りました。少し宗教家じみた心理学者ですが、自分のスペースを確保するという自らの教えに反し、感情を剥き出しにする場面もあって笑えます。

 

ちょっと不可解?メイスン博士の性格設定。


このお話、殺害動機がらみの部分でどうも釈然としません。犯人のメイスン博士は「普通の人間のような愛情表現」ができないように描かれています。それなのに、自分の妻と被害者チャーリーとの愛人関係を知ると、まず妻を殺害、そしてチャーリーを殺害(本件)。何が彼を復讐劇にかりたてたのでしょう。自尊心からでしょうか?であれば、妻の不貞を知り当事者2人を殺害したことの方が、もっと恥ずかしい気もします。

キム・キャトラル Kim Cattrall


同居する若い女性:ジョアンナ・ニコルズ「キム・キャトラル」は美しく登場していましたが、メイスン博士に心を寄せるという設定は、不可解だった気もしますね。

トリシア・オニール Tricia O'Neil


犬の訓練士コーコランを演じるトリシア・オニール(Tricia O'Neil)が人気です。詳細は不明ですが映画「タイタニック(1997)」にも出演しているようです。ぜひ探してみたいです。

「コロッケ」「コロンボ」はでっち上げ


コロンボ警部は「犬が言葉に反応して人に噛み付くか?」を模索するシーンで、「コロッケ」「コロンボ」と言いますが、これは日本語吹き替え版のアレンジのようです。実際にはピーター・フォークは「コロンボ」とは言っていません。メイスン博士が留置された犬に「チョコレート」を与えるシーンでコロンボはそれを阻止しますが、「犬にチョコレートは禁物」という知識にも基づいています。実際には少量のチョコレートの摂取では犬は死なないそうです。

この作品を彩るシチュエーションとして重要な、映画オーソン・ウェルズ「市民ケーン」は見ていません。もしも見ていたら、もっと楽しめた作品なのかもしれませね。エリック・メイスンは映画好き、テニス・ビリヤード好きということですが、キャラクターとは不似合いだったかも。それに対しピーター・フォークのビリヤードの腕前はピカイチでした。

コロンボ警部はビリヤードがお得意


2話「死者の身代金」では、初代バーニーの店(?)で、11話「悪の温室」でも犯人ジャービス・グッドウィン宅でもビリヤードの腕前を披露していますが、今回は解決編の進行にビリヤードを利用していて、演出としては少々やりずぎか…。しかしこれはメイスン博士を追いつめ、この際「コロンボを殺してしまえ」と決意させるための布石だったのでしょうね。

言葉遊びに見るコロンボ警部の刑事哲学


メイスン博士とコロンボ警部の「言葉遊び」の場面は興味深いものでした。ストーリー展開の上では「攻撃命令のキーワード」を引き出す仕掛けですが、コロンボ警部の「刑事哲学」を感じさせました。それは「正義=仕事」「苦痛=失敗」というくだり。自分の仕事はお金を得る手段とは考えておらず、「悪を許さない」こと、成功を収めたいという意味ではなく「失敗を許さない」こと、という2点。これは私(ぼろんこ)の目標ともダブることです。

類似シーンとして、40話「殺しの序曲」の中で犯人オリバー・ブラントとの会話でも見られます。

合言葉を口にした途端襲われるのはメイスン先生のハズだったのでは?


ブログのお客様からのご指摘。「コロンボに犬をけしかけようとするラスト近くのシーン、合言葉を口にした途端襲われるのはメイスン先生のハズだったのでは?」た、確かに!そうですね。シナリオ…全然駄目じゃん(笑)

↑と思いきや…絶対的な存在である飼い主を襲うことはない という原則に基づいたシナリオであればOK!とのことで納得です。

監督:ジェームズ・フローリー
脚本:トム・ラザラス
エリック・メイスン:ニコール・ウィリアムソン
ジョアンナ・ニコルズ:キム・キャトラル
チャーリー・ハンター:ジョエル・ファビアーニ
コーコラン:トリシア・オニール

加筆:2015年4月30日
 
posted by ぼろんこ at 19:58 | Comment(31) | 後期作品(32話〜45話)

2009年08月01日

刑事コロンボ 45話「策謀の結末」

刑事コロンボ「策謀の結末」
The Conspirators / 1978[第7シーズン 45話]

世界の政治情勢が背景


事件の背景が大げさで、33話「ハッサン・サラーの反逆」34話「仮面の男」などと同様の味を持った作品だったと思います。むしろ、それら以上に「世界情勢」と「殺人動機」が強くからんだ作品でしょう。

酒は身を滅ぼす…


IRA活動家で詩人のジョー・デヴリン:クライヴ・レヴィルは、アイリッシュウイスキーの瓶に、傷をつける癖があったのですが、あんなに何回もコロンボ警部と酒を酌み交わし、その度にウイスキーの瓶に傷をつけていては…

まるで「自分が犯人ですよ〜」と、証拠を大量生産しているようなものですね。酒好きが命取り…という結末なので、それも含み楽しんだ方が良いかもしれません。
 

ペック夫人を発見!


17話「二つの顔」でペック夫人を好演したジャネット・ノーランが、オコンネル財閥の女王役で登場。髪の色が違うので、別人みたいな印象でした。


吹き替えが演出する強烈キャラ「ジェンセン」


銃の密売人の役で登場するチャールズ・ブロンソンに似た俳優J.Q.ジョーンズは強烈!。声優は大泉滉さんで、この人の声を使っちゃったら、俳優が誰でも大泉滉に見えてきます。(小池版)


ビンセント・ポーリーも素敵


ビンセント・ポーリーを演じたアルバート・ポールセンも良かった。調べてみたらやはり…凄い人でした。コンバットをはじめ、スパイ大作戦、0011ナポレオン・ソロ、刑事コジャック、チャーリーズ・エンジェル、ナイトライダーなど、60年代〜80年代に活躍している名優でした。


2種類の吹き替えが存在


1979年にNHKで放送された際は小池版。1987年の日本テレビでは小池版の紛失が原因で、再録音された石田版で放送されました。現在はNHKで小池版、DVDやAXNミステリーで石田版が見られるようです。このブログ記事は、NHK-BS Hiで2010年6月11日に放送された「小池版」を見て書かれています。

NHK:コロンボ:小池朝雄、デヴリン:納谷悟朗、ジェンセン:大泉滉★コレ
DVD:コロンボ:石田太郎、デヴリン:家弓家正、ジェンセン:立木文彦

意外と人気が高い作品


私が思った以上に人気の高い作品のようです。犯人が詩人ということで、その台詞や歌声が独特の上品さを醸しています。またアイリッシュの郷愁を感じるBGMも雰囲気を高めています。犯人が決定的な悪人ではない…というのも、理由にあがるでしょうか。
 

見るたびに好きになってきた


この作品は何度も見るうちに、だんだん好きになってきました。やはり音楽が良いのかな。
 
監督:レオ・ペン
脚本:ハワード・バーク
ジョー・デヴリン:クライヴ・レヴィル
オコンネル夫人:ジャネット・ノーラン
ビンセント・ポーリー:アルバート・ポールセン

加筆:2015年12月4日
 
posted by ぼろんこ at 19:58 | Comment(29) | 後期作品(32話〜45話)

どうぞ悪戯の書き込みはお控えください。
私の大切なものを壊さないでください。あなたにも、私にも大切なものがあるのです。
I ask foreigners.
Please do not write a comment. Please do not break my important thing.
I think that you can understand. I appreciate your self-control.

筆者ぼろんこが1970年代にNHKの総合テレビで刑事コロンボに出会った頃は小学生でした。それから30数年後の2009年にNHK BSで再会した時、その素晴らしさにあらためて感銘し、自分なりの解釈をブログに書きためるようになったのでした。